2018年10月に日本に登場した現行型ジープ ラングラー。登場から5年半が経過した2024年5月、改良を受けてお披露目された。ブラック基調で引き締まった顔付きに、このご時世に嬉しい値下げまで見せてくれたラングラーにさっそく試乗!!
※本稿は2024年6月のものです
文:岡本幸一郎/写真:平野 学、ステランティス
初出:『ベストカー』2024年7月10日号
■現行型日本上陸から5年半……改良でより精悍に
人気のヒケツはとにかくデザインにつきる。この“本物感”に魅せられたファンは少なくなく、昨年も日本ではアメリカ、カナダ、中国に次いで世界で4番目に売れたそうだ。
そんな現行JL型の日本上陸から5年半。このほどデザインをリフレッシュして装備を充実させるとともに、新グレードの追加や価格の引き下げが行なわれた。
これまでラングラーのことを「内容のわりに価格が安い」とさんざん書いてきたのに、最近はそうでもなくなってきていたわけだが、今回復活したエントリーグレードの「スポーツ」はかろうじて800万円を切った。
さらに、既存の「サハラ」が従来比で約31万円、「ルビコン」が同約16万円も値下げされたのには驚いた。
外見は7スロットグリルが変わりイマドキっぽい黒い顔になったほか、マストアンテナがなくなった。薄くて強度の高いコーニングゴリラガラスが全車に標準装備されたのも特徴だ。
車内ではインフォテイメント系の世代が進化して画面も大きくなり、一部機能がボイスコントロールにも対応するなどして、圧倒的に使いやすくなった。
サイドカーテンエアバッグを全車標準装備とするなど安全面も進化している。
試乗したルビコンは車内の随所に赤のアクセントが配されているほか、電動レザーシートやステアリングヒーターなどの上級装備が与えられている。
ルビコンの本質は悪路走破性能にあるとおり、専用17インチホイールには本格的なオフロード走行を想定した銘柄のマッドテレーンタイヤが組み合わされる。
■舗装路での乗り心地も快適に
今回、走りに関する変更は何も伝えられていないが、乗り心地がよくなっているのは明らかだ。もっと舗装路ではガツガツと来たはずのルビコンでも、拍子抜けするほど快適に走れた。
一般的なSUVよりもずっと目線が高い位置にあり、車内からの眺めが独特な雰囲気なのもラングラーならでは。標準装備されるハードトップヘッドライナーは、前席の頭上にソフトトップを選択することもできる。
肝心の悪路走破性についても、ルビコンは4WDシステムがほかと差別化されているほか、今回、従来のセミフロート構造と比べて、より強固で堅牢な構造のフルフローティングアクスルの採用により最大牽引能力が向上したのも特徴だ。
当初は3.6L・V6だったエンジンが、やがて2L直4ターボがメインになっても、悪路でのコントロール性を重視してルビコンのみ自然吸気のV6が継続して搭載されていた。
2022年の改良で直4ターボに換装されたのだが、あらためてドライブしてその理由がうかがい知れた。ターボでも繊細なアクセル操作にちゃんと応えてくれるので悪路でも扱いやすい。
さらに実力UPして現われたラングラーは、これまでにも増して人気者になるのは間違いない。
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