スズキの小型車の中核モデルとして、しっかり売れまくっているスイフト。現行モデルはマイルドハイブリッドの経済性に話題が集まりがちだが、しっかり走るという基本性能の良さという点も見逃せない。そんな、素のスイフトが大好きだという自動車評論家、清水草一さんを誘って、江戸の旧い街並みを眺めるドライブに出かけてみた!
文:清水草一/写真:小林岳夫
【画像ギャラリー】価格も走りも◎! スイフトのいいところをアップで見て!(29枚)画像ギャラリースイフトの走りはホンモノである
私がいま一番心を奪われているクルマ。それはフェラーリでもランボルギーニでもマセラティでもなく、スズキのスイフトだ!
クルマ好きにとってスイフトと言えば、ターボで武装したスイフトスポーツの方を思い浮かべるだろう。でも私が熱を上げているのはそっちじゃなく、マイルドハイブリッドの新型スイフトの方である。
スイフトは、実用性を重視したコンパクトなハッチバック車。馬力などの数字を見る限り、決してパワフルじゃないし、デザインも特にスポーティじゃない。でも私は、このクルマに心を奪われてしまった。
なぜならスイフトは、走りがホンモノだから!
これだよ! このタイヤの貼りつき感だよ!
ちょっと専門的な話になるけれど、スイフトで走ると、タイヤが路面に貼りついているように感じる。他のクルマより、明らかに貼りつき感が高い! この、いわゆる「接地性の良さ」は、古典的なヨーロッパ車の持ち味だ。クルマ好きにとっては最高のご馳走で、どこまでも走って行けそうな気分になれる。
私は自動車免許を取って以来、ヨーロッパ車に憧れ、ヨーロッパ(特に速度無制限のアウトバーン)をドライブするのが夢だった。夢を実現させるべく、実際にヨーロッパの道を欧州製コンパクトカー(レンタカー)で走ったら、信じられないほど楽しかった! それは、ヨーロッパの道路環境の良さと、その環境が生んだ接地性のいいクルマとの組み合わせが、涙が出るほど気持ちよかったから……。
スイフトに乗ったら、若い頃のヨーロッパ初ドライブの感動が蘇ってきた! これだよこれ! このタイヤの貼りつき感だよ!
スムーズに回り燃費もいいマイルドハイブリッド
スイフトは、パワートレインもイイ。エンジンは1.2リッターの3気筒+マイルドハイブリッド。最高出力はたったの82馬力だけど、マイルドハイブリッドのモーターのアシストがあるおかげで、街中では十分出足がいい。高速道路ではエンジンが滑らかに回って、クルマを気持ちよく引っ張る。
このエンジン、目立った部分はまったくないんだけど、高い回転まで実にスムーズに回る。ぜんぜん抵抗感がないのだ。そして燃費がイイ。
この、目立たないけど実力があるエンジンも、古典的なヨーロッパのコンパクトカーっぽい。アウトバーンを最高速で走り続けてもまったくへこたれない、あの感じだ。
私は、一見地味なスイフトが、実は凄い実力を持っていることに、心を奪われてしまった。
人は恋をすると、相手のすべてが輝いて見える。走りがあまりにもステキだったので、スイフトのすべてがステキに見えてきた!



































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