アルミホイールというと鋳造と鍛造とわけられる。鍛造は文字どおり「金属を鍛える」のだが、コストが非常にかかる製法だ。
鍛造ホイールは欲しいけれど予算的に厳しい……、そんな思いをしたクルマ好きも多いはず。しかしウェッズは「削り出し」という新たな製法で、コストを抑えてデザインの自由度も増したという。
つまりこれまで同様のかっこいいデザインで、しかもお買い得な鍛造ホイールが生まれたというわけ。これはチェックしないと!!
文:ベストカーWeb編集部/写真:ウェッズ
■走りにこだわるなら鍛造だけど「削りだし」という選択
ホイールに詳しくなくても「鍛造」というキーワードは聞いたことがあるはず。鍛造は文字どおり「金属を鍛える」こと。
強い圧力で金属を押しつぶし金属を分子レベルで整え、軽くて強度のある金属にする精錬法だ。かつての日本刀の刀鍛冶たちが鉄槌でカンカンと赤い金属を叩いていたのと原理は同じだ。
ホイールの場合はホイールの型にアルミを流し込み、それを高い圧力でギュッと固める作業になる。型はそれぞれに異なり、鍛造の技術などはコストがかかるから「鍛造ホイール」は憧れの逸品。
そんな鍛造ホイールをウェッズは「削りだし」で製造。1万トンの高圧をかけられたアルミ合金は円柱として切り出される。
1万トンなんて昔のマンガでしか聞かないような単位だが、これだけの圧力で金属を潰していくと分子レベルで密着し、より強くしなやかな金属になる。
刀鍛冶がカンカンと金づちで刀を叩くのを、もっと大きな規模でやっていると考えてもらえば想像に易いかもしれない。
そのアルミをマシンで削りだすことで、デザイン面でも繊細な加工が可能となっている。その「削りだし」から生まれたのが「FORGED F ZERO」シリーズ。
2019年の新作である「FZ-1」と「FZ-2」はともにこの削りだしのメリットを生かしたデザイン。FZ-1はスポークをセンターからアウトに向けて力強く広がるデザイン。
細いスポークながら、センター部を軸とした密度感は鍛造ならでは。アウターリムにまでシュッと伸びていくスポークが独特なデザインだ。
FZ-2はFZ-1に比べるとシンプルなデザイン。しかしこちらもセンターからアウトへ向けた盛り上がりは特徴的。スポーク数は少ないながらも強度は充分で鍛造だからできるデザイン。
FZ-1、FZ-2ともに18~21インチの設定で鍛造ホイールだからといって決してクーペやスポーツモデルだけではなく、ミニバンなどへの相性もよさそう。
価格についても6万円~10万7000円/本と鍛造の大径ホイールとしては買いやすい金額になっている。これも削り出しには金型が不要であり、コスト削減がこのプライスに繋がっているのだ。
クオリティは高く、そしてお値段は控えめ。鍛造はほしいけど予算がなぁ……、という方にはもってこいのF ZEROシリーズ。担当も欲しくなってきました!!
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