整備士不足が叫ばれる昨今。自動車のドクターともいえる整備士不足は解消しなければならないが、整備工場運営のハードルのひとつに設備投資の高さもある。どうにかして安く中古整備機器を流通できないか、トヨタが立ち上がった。
文/写真:ベストカーWeb編集部
■中古整備機器の流通網を確保せよ
整備工場といえば自動車ディーラーだったり、街の工場だったりとさまざまな形態がある。普段消費者として利用していると気づかないが、車体をあげるリフトやタイヤを脱着するタイヤチェンジャーなど整備機器がいくつもある。
当然ながら機器の代金は決して安いものではなく、リフトも100万円近いものもあれば設置も基礎工事などでお金がかかってしまう。そうなると後継者不足で悩む工場や独立したい若手整備士にとっては、新たなチャレンジができない状況に陥る。
一方で中古の自動車整備機器の販路はあまり確約されておらず、オークションサイトなどで見ていくしかない現状もある。そこに目を付けたのがトヨタのカスタマーファースト統括部。
「メカコミ」という中古自動車整備機器の販売サイトを作ったのだ。平たく言えば「メルカリ」や「ジモティー」の整備機器特化型という感じ。まだ使えるけど使っていない機器を、それを必要としている工場にマッチングするというサービスだ。
もちろんそこはトヨタのサービス、しっかりと中古整備機器専門業者との提携があり整備済の整備機器を掲載している。購入後のアフターも対応するから安心感は高いのだ。
■実際にメカコミで機器を導入した工場に直撃
やはりそうは言っても実際にメカコミを使ったユーザーでないとそのよさは分からないはず。ということで茨城県のYFMに取材をしてみた。店主の山本さんは2級整備士であり、タイヤ交換をメインに車検なども対応している工場を持っている。
山本さんは自動車用品店でタイヤ交換業務を担当していたこともあり、タイヤ交換のエキスパート。独立開業する際にタイヤチェンジャーを探していたという山本さん。
「タイヤ交換の機器って意外に値段が嵩みます。タイヤチェンジャーにバランサー、エアコンプレッサーなど実は機器も複数必要で。今回はメカコミでタイヤチェンジャーを購入しました」。
バランサーについては新品との価格差を検討して新品を購入、チェンジャーについては新品の半値で整備済の使い慣れたチェンジャーをメカコミで見つけて導入したそうだ。浮いた分の予算を有効活用することができたそうだ。
今後のメカコミに望みたいことも聞いてみた。
「やっぱりお得に設備投資ができるのは嬉しいです。ただ今後は”タイヤ交換をするならこちらも必要では?”みたいなオススメ商品機能があると便利ですね。200V電源の工事とかも搬入業者さんと決めないといけなかったので、それも購入時に設定できると嬉しいです」。
まだまだ船出を迎えたばかりのメカコミ。お買い得に整備機器を購入できる工場、そして使えるけど使っていない機器を売りたい工場のマッチングサービスは今後も需要が増えることだろう。今後の発展にも期待したい!!
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