1998年1月に誕生して以来、日本のカーナビ市場を大きく拡大させた立役者といえばパイオニアが展開するカロッツェリアの「楽ナビ」だ。25周年を迎えた楽ナビの歴史と進化、そして最新のカーナビに求められる機能について解説する。
文/高山正寛 写真/ベストカー編集部、パイオニア
■楽ナビのおかげで市場は拡大
発売以来、市場での認知も含め、短期間でヒットモデルとなった「楽ナビ」だが、売れた理由に関しては前回でも解説した通り。
さらに言えばカーナビユーザーや購入予備軍に対しても「これが欲しい」というニーズを具現化したことが大きい。
もちろん手が届きやすい価格設定やハイエンドモデルである「サイバーナビ」との機能の違いを上手く提示できた点もあるだろう。
まさにカロッツェリアのカーナビはこの“両輪”がうまく機能することで市場を拡大、2006年には累計販売台数120万台を達成、文字通り「カーナビのスタンダート」の座を確保した。
■“次の一手”はモデル拡大とUIのさらなる進化
ヒットを続けることは同時にユーザーの要望が今まで以上に増えることだ。常に一歩先を見据えて開発を行ってきた「楽ナビ」の場合、そのハードル自体は当然高くなる。
ハイエンドモデルである「サイバーナビ」と「楽ナビ」は切磋琢磨する関係、と前回書いたが、実際「サイバーナビ」が時代に先駆けた技術を「楽ナビ」も追いかけるように惜しみなく採用している点もポイントだ。
具体的にはやはりHDDを「楽ナビ」に搭載したことだろう。2005年9月に発表された「HDD楽ナビ」は記憶領域を大容量化(30GB)することで豊富なデータやより多彩な地図表示機能、さらにCD約200枚分の音楽データを保存できる「ミュージックサーバー」により従来以上に車内エンタテインメントを楽しむことができるようになった。
大容量化に関してはその後、HDDからメモリー型にシフトしていくことになるのだが、いずれにせよ大容量化に関しても早い時期からアプローチしていた点は凄い。
さらに目的別に地図表示が選べる「ターゲットマップ」など「楽ナビ」ならではのUIの進化も実現した。HDDの採用は間違いなく「楽ナビ」を次のステージへ押し上げたが、価格面でもコスパに優れる「DVD楽ナビ」も同時にモデルチェンジすることでより幅広いユーザーニーズに対応してきた。
この他にも2007年に入るとユーザーの好みに応じてハードキーのカラーやメニューをカスタマイズできる「マイセットアップ」を採用するなど、定評のUIに磨きを掛けている。
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