敢えて黒子に徹する静かで快適なタイヤがALENZA LX100
さて、ALENZA 001はプレミアムSUV用タイヤのオンロードスポーツモデルだが、そうなると次の一手は予想どおりコンフォート系の新商品。その役割を担って登場したのが、ALENZA LX100だ。
コンフォートをテーマとしているだけに、技術面における焦点は高次元の静粛性。既存商品のH/L850比で音圧エネルギー22%低減を達成しているという。※註
タイヤの静粛性向上はいわば“総力戦”だから、この22%の低騒音化は細かい成果の集大成といえる。※註
技術資料を見ると、3Dノイズカットデザイン、3Dノイズ抑制グルーブ、シークレットグルーブなど、さまざまな工夫が紹介されているが、音は空気の振動だから共鳴するか打ち消しあうかでノイズは大きくもなるし小さくもなる。つまり、静音化は音の発生源全体を調和させることがキモ。じつに根気の要る技術テーマだと思う。
※詳しくはALENZA公式Webサイトへ。
くわえて、快適性重視のALENZA LX100では乗り心地のチューニングも重要な課題。サイドウォールの剛性に影響するケース部材の配置や、タイヤ踏面からベルトへの入力を受け止めるトレッドゲージの最適化など、しなやかな乗り心地を目指した技術のコダワリが随所に見受けられる。
このALENZA LX100に相応しいキャラクターのSUVとして、今回の取材ではハリアーを用意。225/55R19サイズを装着してテストドライブを実施した。
タイヤを抜きに考えても、エクストレイルとハリアーは同クラスのSUVながら目指す方向がかなり異なっている。端的に言って、土とか泥の匂いがまったくしないのがハリアー。都会派のファミリーにフォーカスしたSUVとして、独自の世界観を築いているのが特徴だ。そして、このハリアーのキャラクターがまるで誂えたかのごとくALENZA LX100にマッチしている。
ハリアーはトヨタのGA-Kプラットフォームをベースとする一連のバリエーションの中で、もっとも日本市場にフォーカスした車種。たとえば、最近話題のクラウンスポーツも同じGA-Kプラットフォームだが、走りの味付けはびっくりするほど異なっている。ハリアーは穏やかなハンドリング、当たりのソフトなサスペンション、ゆったりとしたボディの動き、ひとことで言えば超オーソドックスな日本のクルマなのだ。
ちょっとわかりにくい表現かもしれないが、ALENZA LX100はそんなハリアーの世界観に何ひとつ不純物を加えない無色透明なタイヤ、走り込むほどにそんなイメージが強まってくる。
もちろん、タイヤが発生するノイズは明らかに低く抑え込まれているし、もともと穏やかだった乗り心地はさらに快適度が増しているし、ALENZA LX100が貢献している部分は少なくない。しかし、そういったタイヤの働きはずーっと後景に退いて目立つことなく、不純物が減ってまったりとしたハリアーの持ち味だけがより純粋に際立っている、そんな印象なのだ。
途中、ALENZA 001を履くエクストレイルと乗り比べをしてみると、その違いはまさに鮮烈。タイヤの高性能ぶりがぐいぐいドライバーに伝わってくるALENZA 001に対し、黒子に徹して敢えて目立とうとしないALENZA LX100の奥ゆかしさ。どちらも同じALENZAブランドながら、まさに好対照といっていい対比をなす2種類のタイヤでした。
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