大型スウェーデン車の対決と3倍増のデュカト
日本自動車輸入組合(JAIA)の統計から、24年度上半期の『輸入普通貨物車』のうち、トラック・商用車ブランドの動向をみてみると、ボルボトラックスは前年同期比0.8%増の266台と微増だったが、スカニアは同18.5%増の237台となり、ボルボとの差を29台にまで縮めた。
ボルボ、スカニアは、ともにプレミアム大型トラックとして人気が高く、実利的な面でも高出力・大トルクのエンジンをラインナップ、国産車には設定のないセグメントをカバーしている点でも存在意義を高めている。今年度末にどのような展開をみせていくか要注目だろう。
もう一つの気になる動きがフィアットの186台で、なんと前年同期の3倍超となっている。全量が「デュカト」というLCV(小型商用車)で、その荷室は、ユーロパレット(サイズは1200mm×800mm)をフォークリフトで積み降ろしできるよう設計されているなど、欧州流のセミボンネット型パネルバンである。
もっとも日本でのデュカトは、商用ユースとしてではなく、バン・コンバージョン型キャンピングカーのベースシャシーとして売られており、実態としては乗用車だ。ある正規販売ディーラーによると、ディーゼル車かつ普通免許で運転可能、大きな居住空間を確保できるサイズ、そして商用車ゆずりの優れた架装性が関心を集めているという。日本では販路をなかなか掴めなかった欧州のLCVが、こういう形で注目されているのは興味深い。
なお、インドネシアでダイハツが生産している輸入小型商用車(トヨタ タウンエース/マツダ ボンゴ/ダイハツ グランマックス)は現在、ワンボックスバンのみ販売中で、トラックモデルは出荷停止となっている。そのため、24年度上半期は3ブランド合計で3331台、同66.5%のマイナスとなった。
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