最終ステージ目前で世界一過酷なラリーレイドが日野チームスガワラに牙を剥いた。ゴールまで20kmの地点で、あの因縁のトランスファが再び故障してしまったのだ。
現在はリエゾン途中の路上でストップした状態。どうなる、日野チームスガワラ!?
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/日野自動車・A.S.O.
最後の難関エンプティクオータで駆動系トラブルが発生
16日はシュバイタ周辺での砂丘ステージ3連戦の2日目。ビバーク東側の砂丘地帯で126kmの競技が行なわれた。
この日は共通のエリアの中に2輪と4輪、トラック部門のそれぞれに異なるコースが設定された。トラック部門の距離は2輪の308km、4輪(市販車部門を除く)の276kmに対して短いが、コースの難易度の高さからトラックには厳しいステージとなっていた。
行程はまずリエゾン(移動区間)でビバークから舗装路を東に200km移動。そこからSS(競技区間)がスタートし、舗装路の南側の砂丘地帯を蛇行しながら西に向かう。SSのゴール後は往路と同じ舗装路に合流し、西に111km戻ってビバークに帰着するという内容だった。
今大会最後の難関であるこのステージを日野チームスガワラのHINO600は順調に走り出し、96km地点をトラック部門6番手で通過。
しかし一昨日に高難易度の修復作業を施し、昨日は万全の機能を発揮したトランスファがゴールまで20kmのところで再び故障。砂丘の頂きで亀の子となってしまう。図らずも過酷なダカールの環境を思い知らされる場面となった。
その後、自力で応急措置を講じてゴールに向かったHINO600だが、SSの所要時間が15時間45分とマキシマムタイム(ステージの許容時間)の6時間半を超えたためペナルティタイムが課せられ、ステージの順位は4輪部門総合129位、トラック部門15位となった。
この結果により累積順位は4輪総合99位でトラック部門の14位に後退した(順位は全て暫定)。
現地時間午後9時半時点でHINO600はリエゾンの舗装路上でストップし、救援を待っている状態。アシスタンストラックで牽引するべくビバークからメカニックたちが向かっている。
17日はビバーク南側の砂丘で61kmの最終競技が行われ、その後ビバーク内のポディウムでゴールセレモニーが開催される。
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