メルセデス・ベンツ・スペシャル・トラックスは、改造パートナーのヘルゲト・エンジニアリングと協力して特別なデザインと共にパフォーマンスを強化した「ウニモグ」の豪華バージョンを発表した。
オフロード車として不動の地位を築いているウニモグは「汎用動力機械」(ウニバーザル・モーター・ゲレート)の頭文字をとったもので、4輪駆動車の開発が禁止されていた戦後ドイツに誕生して間もなく80年となる。
ラグジュアリー・バージョンのウニモグは、これを記念するショーモデルとして製作されたものだが、開発ステージにむけて顧客の元での試験も予定している。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/Daimler Truck AG
史上最強の「ウニモグ」が誕生
オフロード車の最高峰とされるメルセデス・ベンツの「ウニモグ」は2026年で誕生から80周年を迎える。これを記念してメルセデス・ベンツ・スペシャル・トラックスが特別なチャレンジを行なった。
1948年に量産を開始したウニモグだが、そのプロトタイプは連合軍占領下のドイツで1946年に誕生している。当時のコンセプトは、トラックのように公道走行が可能な農業用機械(ジャガイモ収穫機)だった。その後、4輪駆動車の生産が戦後ドイツで解禁されてからダイムラーに移管され、「汎用動力機械」のウニモグは世界各地の市場でオフロード車として不動の地位を築いた。
このたび、メルセデス・ベンツ・スペシャル・トラックスはコンバージョン・パートナーのヘルゲト社と協力して、史上最もパワフルなオフロード仕様のウニモグを、ラグジュアリーセグメントのショーカーとして製作した。パフォーマンスの向上に加えて、快適機能も拡張されている。
数十年に渡り比類のないオフロード性能を発揮してきたウニモグに新たな水準を設けることで、世界中のウニモグユーザーにとって長年の願いである、更なるパワーと特別なデザインを実現する。
ウニモグは民生用のほか、軍用車としても人気だ。ショーカーは軍用にも使われる最もタフな仕様をベースに設計された。技術的には他に類を見ないものとなるが、将来的な開発ステージに向けた洞察を得るため、来年は実際に顧客のもとでテストを行なうことを予定している。
オフロード性能とプレミアムデザインを両立
メルセデス・ベンツ・スペシャル・トラックスのCEO、フランツィスカ・クスマノ氏(発表時。三菱ふそうのCEOに内定している)は「ラグジュアリーなウニモグにより、伝説的な堅牢性とオフロード性能に新水準の快適性とエンジニアリング技術を組み合わせるという私たちのビジョンを実現しました。このウニモグは革新と情熱を象徴しています」と話している。
史上最も強力な豪華版のウニモグは、ポータルアクスルとフレキシブルフレームにより高いオフロード性能を誇る高機動型ウニモグ「U4023」をベースにしている。セレクタブル全輪駆動には、ディファレンシャルロックと共に両軸の前後方向のロックを組み合わせ、あらゆる困難な地形で必要なトラクションと制御を確保する。
標準の4気筒エンジンは6気筒のメルセデス・ベンツOM936型に置き換えられた。OM936型は、同社の大型低床トラック「エコニック」などに搭載される7.7Lディーゼルエンジンで、出力220kW(300hp)仕様のものを採用した(命名規則から車名はウニモグ「U4030」になりそう?)。
こうしたモディフィケーションに加えてトランスミッションのチューニングを最適化することで運転快適性を向上したという。
ショーカーはダブルキャブとなっており、最大4人が乗車するスペースを提供する。ミラーに代わりデジタルカメラ&モニターによる「ミラーカム」システムを採用し、車両全周の視界を確保、安全性も向上している。
印象的なエクステリアはSUVにインスパイアされたもので、マットグレーの塗装、アルミ製ビードロックを組み込んだホイール、最新のLEDヘッドライトによる照明コンセプトなどを特徴とする。
キャブ内部では、プレミアムなレザー表皮とカラーステッチが施されたエルゴノミクスシートが採用された。フロアマットもレザーで、LEDによるライティングと共に高級なキャラクターを強調している。
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