オランダのDAFはフラッグシップ大型トラックの電動バージョン「XGエレクトリック」および「XG+エレクトリック」の量産を開始した。
これで現行世代のモデル全てで電動バージョンが利用可能となり、同社のゼロ排出ソリューションが着実に拡大している。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/DAF Trucks N.V.
DAF、電動フラッグシップトラックの生産を開始
パッカーグループに属するオランダの大手トラックメーカー、DAFは2026年5月6日、「XGエレクトリック」および「XG+エレクトリック」の量産を開始したと発表した。
同社のXG系トラックは、ネクスト・ジェネレーション・DAF(NGD)と称する現行モデルレンジの最上位を担うフラッグシップ車で、NGDでは唯一バッテリーEV(BEV)の設定がない車両だったが、これでDAFの全モデルで電動バージョンを選択できるようになった。
高効率の電動パワートレーンと優れた運転快適性を兼ね備えたXG+エレクトリックの第一号車は、ドイツの運送会社であるヘルモルト&プランクに納車される予定だ。
NGDのモデルレンジは、XB、XD、XF、XG、XG+で構成され、車両総重量(GVW)12トンクラスのXB以外は全て大型トラックとなる。都市集配送用から長距離輸送用まで、シリーズの全てにBEVが用意され、とりわけ大型車は効率、スムーズな駆動、運転快適性など共通の設計思想の下、用途に応じてモデルを区切っている。
最初の顧客となったヘルモルト&プランク社はドイツ中部のギーセンに本拠を構える運送会社で、既にDAFのゼロエミッションモデルを導入しており、ドラッグストアへの配送などに活用しているという。創業122年という老舗企業は、その稼働を支えるためにパッカーの充電設備も導入した。
BEVトラックの快適性に新水準
フラッグシップとなるXG系トラックは長距離輸送に最適化した設計で、電動モデルにおいてもドライバーの快適性を新たなレベルへ引き上げる。最大12.5立方メートルという広大なキャビンを備え、作業環境としても、居住する環境としても、かつてない水準を実現した。
いっぽうで空力性能にも優れ、車両の効率も高い。
XGエレクトリック、およびXG+エレクトリックは複数のシャシー構成で提供されるが、いずれも高効率のパッカー「EX-D2」パワートレーンを搭載している。出力は270kW~350kW(370~480hp)、最大トルクは2400Nmだ。
(連結総重量44トンの長距離用大型トラクタとしては出力が低いように感じるかもしれないが、同社は内燃エンジンでも出力を抑えて省燃費性能を高めたマルチトルクエンジンを得意としており、馬力帯を合わせた形と思われる)
バッテリーはモジュール式となっており、シャシーに最大5基を搭載可能。リン酸鉄リチウム(LFP)バッテリーで、用途によっては500kmを超える航続距離を実現する。
DAFトラックス社長のハラルド・ザイデル氏は7月に引退すると発表されているが(後任はパッカー副社長兼ケンワースGMを務めるジム・ワレンチャク氏)、おそらく最後の大仕事となるフラッグシップ車の電動化について次のように話している。
「XGエレクトリック、およびXG+エレクトリックの量産開始は、広範なモデルの様々な用途に向けてゼロ排出のソリューションを提供するという私たちのコミットメントを強調するものです。
ヘルモルト&プランクのようなお客様は、弊社の電動トラックが、日々の運送業務に素晴らしい効率と持続可能性をもたらすことを証明してくれています」。
【画像ギャラリー】アイントホーフェンの量産ラインで製造を開始したDAF「XG+エレクトリック」(14枚)画像ギャラリー















