2年に一度のトラックの祭典「ジャパントラックショー2026」が5月14日〜16日に開催。福島の特装車メーカー、花見台自動車は2台の車両を出品した。どちらも同社の「開発魂」が見られる内容となっており注目だ。見どころ満載の2台をレポートする!
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
さらに進化した荷台接地型スライド車載車「セフテーローダ グライド4」
花見台自動車が今回の「ジャパントラックショー2026」に出品したのは「セフテーローダ グライド4」と「9m3コンクリートミキサートレーラ」の2台。「m3」は立米=立方メートルのことである。
セフテーローダ グライドはスライド車載車の名作「セフテーローダ」の派生モデルとして1998年に登場。荷台を地面に接地させて積み荷となるクルマの積み降ろしを行なう「荷台接地型」あるいは「フルフラット型」と呼ばれるモデルで、グライド4は文字通り4型(4世代目)となる。
4型は、「自動車以外の積み荷を容易に積めない構造」にする代わりにリアオーバーハングの長さをホイールベースの2/3まで伸ばせる「車載専用型」だった3型に対し、「自動車以外の積み荷も運べる」代わりにリアオーバーハングが同1/2に制限される「一般型」を採用し、同時にリアゲートレス化も図っているのが最大の特徴。
これにより直角コーナーを曲がる際に対向車などにリアオーバーハングをぶつける「ケツ振り事故」のリスクを軽減し、後方視界も拡大。荷台傾斜角もスライド機構の見直しによって3型同等の2度を確保し、安全性と作業性を両立させた。
4型は4年前の「ジャパントラックショー2022」で試作型が発表され、24年に発売。今回のショーに登場したのは細部を改良した最新モデルで、機構はそのままに鳥居デザインを変更するなど作業性を底上げした。架装ベースは1台積み車両運搬車で主力のホイールベース3800mm級だ。
大型ミキサー車2台分を運べる「9m3ミキサートレーラ」
もう1台の9m3コンクリートミキサートレーラは国内では非常に珍しいセミトレーラタイプのミキサー車。北海道のユーザーの要望で開発されたもので、ドラムなどミキサーユニットは中国の大手コンクリートミキサー装置メーカーと共同開発したという。
ユーザーからの要望は「単車の大型ミキサー車2台分の生コンを1台で運びたい」「従来の大型ミキサー車と同じ現場で使いたい」というもの。
容積に関しては、大型ドラムを開発することで大型ミキサー車(4m3)約2台分に相当する「9m3」を確保。ミキサートレーラは国内では例が少ないことから、搭載位置や角度をどうするか、という部分では相当苦労したそうだ。
またドラムを回す動力だが、能力の関係で一般的な国産トラクタのPTOが使えないため、独自にサブエンジン式PTO(重量約800kg)を開発。これをグースネック上部に搭載することで、空車時でもトラクタの駆動軸にしっかり荷重がかかるようになっている。
トレーラシャシーは花見台独自の「コブラネックフレーム」を採用。同フレームは、フレームがグースネック部分から左右に広がる形状が特徴で、連結全長の短縮化や2軸化の実現に寄与。連結全長は12m以下と、単車の大型トラックと同等の数値を誇り、小回り性も良好という。
まさにユーザーの要望に応じてこの世にない特装車を独自開発する「開発モノ」を得意とする同社の魅力がつまった車両といえるだろう。なお、同車両は展示介終了後の5月末に納車予定。今頃は北海道で活躍していることだろう。
最後に主要スペックだが、GVW30トン級の2軸車で、トレーラ単体のサイズは全長8590mm×全幅2490mm×全高3790mm。ホイールベースは5590mm+1310mmで、車両重量9940kgで最大積載量19800kg。タイヤサイズは275/70R 22.5である。
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