充電速度は商用車の運行を左右する
CCSによる375kWで充電していたMANのトラックは、MCSにより2倍の750kW(1000アンペア・750ボルト)での充電に対応した。その結果、バッテリーパック6基・534kWh容量のトラックでは、充電率(SoC)20%から80%への充電が30分も掛からないことになる。また7バッテリー(623kWh容量)でも40分未満という計算だ。
これはトラックドライバーに義務付けられている法定休憩時間より短い(欧州では4.5時間の運転につき45分の休憩が義務付けられている。日本では4時間につき30分)。このため事業者は充電によるダウンタイムを見込む必要がなくなり、BEVトラックの稼働率を高めた柔軟な運行が可能になる。
セミトレーラ連結車による長距離輸送を想定すると、充電(と休憩)のための停車から最大570kmを走行でき、ディーゼル車と同等の1日に1000kmという長距離走行を同じ拘束時間で実現できる。
BEV商用車を効率的に運行するために必須だったのは、優れた車両でも大容量バッテリーでもなく、急速充電という規格だ。
同社の欧州地域担当セールス責任者のローマン・シッテ氏は次のように話している。
「MCSエコシステムは市場導入という重要な時期を迎えています。車両とインフラ、バックエンドのITシステムがそれぞれに連携しながら進化してきました。初めてのMCS搭載車を量産化したMANは、新たな充電規格を欧州に定着させ、相互運用性のさらなる強化を積極的に推進します」。
なお、同社の大型BEVトラック(eTGXとeTGS)は、異なるインフラに対応するように設計されており、フロント左側にMCS用のインレットを備えるいっぽう、オプションのCCS用インレットはフロント右側と、単車系ではリアの左右に追加することができる。こうした柔軟な配置は大型車が民間の充電施設を利用する際に重要で、今はまだ限られているインフラへのアクセス性を向上するという。
またコネクテッドサービスを通じてMCSを利用可能な充電ステーションを案内することも可能だといい、トラックの要件に合わせて費用対効果の高い方法で大型トラックのバッテリーを充電することが可能になっている。
【画像ギャラリー】MANの「eTGX」に搭載されたMCS(2枚)画像ギャラリー
