ベテランドライバーのミラーセッティングは?
それとすべての死角を無くすことが理想なのでしょうが、現実的に考えて死角は存在してしまうので、極力死角を無くすようにすることだと思います。
僕の場合はミラーの位置調整です。トラックにはサイドミラーの他にアンダーミラーといって前方付近を映すミラーが装備されています。ミラーのセッティングは個人個人好みがあると思います。
これはアンダーミラーに限らず、サイドミラーもそうですが、たまに人の車両を運転する時は、まずはミラー位置のセッティングをやり直して運転します。
僕の好みは、運転席側サイドミラーはウイング箱上部が入る程度の極力下めで、助手席側サイドミラーは上下別になっているので、上部は3対2くらいの割合で外に向けて、3対1くらいの割合で箱の上部までが映るようにして、下部のミラーは限界まで下に向けて助手席側足元が映るようにしています。
ミラーセッティングの時に、僕が最も気にするのはアンダーミラーの位置です。先ほども言いましたが、ミラーセッティングは人それぞれ好みの位置があると思います。
運転席前方が映るようにセッティングしている人が多いと思いますが、僕の場合は運転席の前は少し映る程度で助手席側の前方下の辺を多めにカバーできるようにセッティングしています。このセッティングだと助手席側の死角がある程度カバーできます。
それでも100%死角は無くならないので、左折時はより気をつけて曲がるようにしています。またこのアンダーミラーの位置だと車両前方の死角が増えますので、トラックを動かす時は、まずアンダーミラーと目視で前方の安全を確認してから運転するようにしています。
最近はサイドカメラなどの搭載車両もよく見かけます。サイドカメラを付けて安全運転を意識するのは良いことだとは思いますが、それってどうなんでしょうか? 極論になってしまいますが、運転技術の劣化に繋がっていませんか? 装備が無いよりもあるほうが安全性のメリットは当然あると思います。
でもそれに頼りきって逆に油断してしまうことはないですか? バックカメラが良い例だと思いますが、昔はバックカメラが未装着の車両が多かったと思いますが、最近はバックカメラ未装着の車両を探すほうがむずかしいほど普及しています。
バックカメラを装着することでバックする時も楽になりましたし、車両事故も減ったと思います。それは良いことですが、運転技術は昔に比べて劣化していると思います。今ではバックカメラ無しでは後ろに下がれない身体になってしまった運転手さんも少なくないんじゃないでしょうか? 僕もその中の1人なので何も言えませんけどね……。
不安を感じた時は運転席を降りて後方確認するようにしています。僕はクルマの装備云々も大事だと思いますが、やはり運送会社の教育システムを充実させて運転手自身のプロ意識を高めることも重要だと思っています。
運送業界の慢性的な人手不足が深刻化する中なので、満足に運転もできない素人同然の人間をプロドライバーとして、すぐに現場に出さないといけない状況も理解できますが、トラックの運転手という仕事は簡単にできるものではありません。
甘い気持ちは捨てて、覚悟を持ってハンドルを握ってほしいと思います。その覚悟の先に、プロドライバーとしての意識が生まれ、安全運転や事故の減少に繋がると思います。
【画像ギャラリー】ミラーセッティングで死角を減らすのも大事!! 右左折時にベテランドライバーが気を配ること(8枚)画像ギャラリー