死角の多いトラックを運転する際、特に気を配る必要があるのが交差点の右左折時だろう。近年は先進安全装備などが車両に搭載されはじめたこともあり事故自体は減少傾向にあるようだが、それでもトラックが起因する凄惨な交差点事故は後を絶たない。
ベテランドライバーは、交差点ではどんなことに気を付けて運転しているか。長距離ドライバーのひろしさんに聞いた。
文/長距離運転手ひろしさん、写真・図/フルロード編集部・全日本トラック協会
*2022年6月発行「フルロード」第45号より
右左折時は慎重かつ落ち着いた運転を!!
トラックに限らずクルマを運転する際に、最も気をつけなければならないのは交差点などで右左折する時です。対向1車線での右折ならば、向かってくるクルマや、横断歩道を渡っている、もしくは渡ろうとしている歩行者に気を付けなければなりません。
トラックは運転席が高く比較的遠くまで見渡せるので、クルマの動きは良く見えますが、道路を渡ろうとする歩行者や自転車の動きにはより注意をしなければいけません。自転車は歩行者より速度が出るため、思いがけない場所から飛び出してくる可能性もあります。
右折に関してはトラックよりも普通車のほうが死角が多いように感じます。例えば直進する車両の脇から出てくるバイクや自転車、複数車線道路だと車線の数だけ直進車両とのタイミングもむずかしくなりますし、目線が低くなるので車両の脇から出て来るバイクや自転車との出会い頭事故など、見にくい場所が多いぶん難易度も上がると思います。
普通車・トラック共通でいえることですが、右折時は対向車が途切れるのを確実に待ち、落ち着いて運転すれば歩行者などの動きにも注意できるので、やはり慎重かつ落ち着いた運転を心掛けることが大事でしょう。
いっぽう左折に関しては普通車よりトラックのほうが難易度が数段高いと思います。運転席の目線が高いため、左折時の死角が普通車に比べて格段に増えます。普通車にも当然死角はありますが、トラックほどではないでしょう。
かといって普通車にも死角はありますので左折時には細心の注意を払う必要があります。じゃあどうすれば良いのか?「確認を怠らないこと」「落ち着いて運転すること」「歩行者や自転車などがいるかもしれない」この3つは必須でしょう。