後半戦の第9ステージ、第10位ステージは、路面の変化が激しいナビゲーションの高いコースだ。
HINO600シリーズで参戦している日野チームスガワラの菅原照仁、染宮弘和、望月裕司組はチームワークよろしく、このステージも快走しトラック部門7位に躍進。終盤戦へ弾みをつけた。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/日野自動車・ASO
山間地のロングステージを安定したペースで走破
ダカール・ラリー2024は1月16日、北部のハイルから北西部のアルウラの間で第9ステージの競技を行なった。ルートはハイルのビバークから76kmのリエゾン(移動区間)でハイル西側の山間地へ。地形を縫うように設定された436kmのSS(競技区間)に臨んだ。
SSの路面は序盤が砂地や砂丘が続き、その後グラベルのピストや振動の酷い岩場と変化した。ナビゲーションの難易度も全体に高かったが、菅原照仁、染宮弘和、望月裕司の3人が走らせる日野チームスガワラのHINO600シリーズはこのステージでも速さを発揮。
大型クラスのライバル勢に抜かれることなく10番手前後のポジションをを保ち、トラック部門のトップから47分遅れの10番手でゴールした。この結果、累積順位では8位のポジションを保つとともに7位のクラウディオ・ベリーナ組(イヴェコ・パワースター)とのタイム差を55分に縮めた。
ゴール後は再び149kmのリエゾンを走り、スタートキャンプと同じアルウラのビバーク地に到着。ビバークには日本から日野自動車の脇村誠CTO(最高技術責任者)も応援に駆け付け、選手とメカニック、スタッフを激励した。
アルウラ基点のループコースで7位に躍進
1月17日の行程はアルウラ~アルウラ。サウジアラビア北西部の山間地を舞台に371kmのループコースで第10ステージの競技が行なわれた。
アルウラのビバークからリエゾンで東方へ178km移動した丘陵地帯からスタートするSSは約8割がグラベル路面。砂地や岩場にも変化し、複雑なナビゲーションとともに引き続き砂埃が酷い一日となった。
このステージに臨んだ日野チームスガワラのHINO600シリーズは、大型クラスの競合勢を向こうに快調なペースを保ち、パンクやトラブルなく快走。
通過を義務づけられたウェイポイントを進路から離れた場所に回り込むように置くなど、ナビゲーションの忙しい区間も無事に終え、最後は今大会のプロローグと第1ステージでも使った砂地のオフロードを通ってゴールした。
SSの成績はトラック部門8番手で、前日55分差だったクラウディオ・ベリーナ組(イヴェコ・パワースター)が遅れたことにより累積順位は一つ上がり、部門7位に浮上した。
ダカール・ラリー2024もいよいよ終盤戦。18日はアルウラからゴール地のヤンブへ向かい、最後の難関になりそうな今大会最長480kmのSSが行なわれる。