ミシュランタイヤが推奨するリグルーブ
いっぽう、国内で唯一ミシュランタイヤが推奨しているリグルーブは、中型〜大型車のTBタイヤに対応し、「ミシュランリグルーブサービス」というステッカーが貼られた同社のTBタイヤを取り扱うタイヤショップなどで行なうことができる。
同社TBタイヤにはリグルーブの使用を前提とし、溝底とベルトの間に3〜4mm厚のリグルーブ可能範囲となるゴムと、2mm厚のアンダートレッド(サイズによって異なる)があり、タイヤごとに定められた推奨深さ(概ね3mm〜4mm)まで溝を掘ることができるようになっている。
実際には、残溝2mm〜4mmの段階でリグルーブすることが決められており、この残溝(最も浅い箇所)+推奨深さにリグルーバーのブレードを設定して溝を刻んでいく。
ちなみに、同社TBタイヤの多くにはスリップサイン上に「リグルーブ・デプス・インジケーター」と呼ばれる穴を設けている。この穴はここまで掘れるという深さを表しており、深さを計測することで迅速なリグルーブを可能としている。
リグルーブで増やせる溝の深さは新品タイヤの約1/3ほどとなり、前述の通りライフ延長は最大25%。最大90%のリトレッドと比べると短いが、継続して行なえば4本で新品タイヤ1本と同等のライフとなり、コストは4本で新品の40%ほどで済む。
また、リトレッドの場合前軸への使用は推奨されていないが、リグルーブの場合はフロントタイヤとして使用できる(使用条件による)メリットもある。さらに、摩耗が進んだタイヤがベースとなるので転がり抵抗が低減し、燃料改善に貢献できるという特徴も備えている。
以上のように、リグルーブもリトレッドもそれぞれに特徴あり、これらのタイヤ再利用技術を上手に使い分けて活用していけば、トータルコストで見ると高い費用対効果をもたらしてくれるのだ。