サッカースタジアムにEVトラック充電器? ブンデスリーガの強豪クラブが商用車の「充電パーク」を整備する理由とは!?

充電パークは大型トラックにとって不可欠?

サッカースタジアムにEVトラック充電器? ブンデスリーガの強豪クラブが商用車の「充電パーク」を整備する理由とは!?
アリアンツ・アレーナはアウトバーンのジャンクションにも近い

 欧州自動車工業会(ACEA)の試算によると、商用車の稼働を支えるため、2030年までに欧州の主要物流道路沿いに合計5万カ所の高規格充電設備が必要となる。

 大型車を駐車でき、大電力の供給が可能で、物流道路にも近いアリアンツ・アレーナの充電パークのような場所は、特に走行距離の長い大型トラックにとって将来的にますます重要になるだろう。

 MANは2023年10月にBEV大型トラックを発売したが、当初から一日の走行距離として600から800kmを想定している。これには充電技術が果たす役割も大きいと、開発責任者のゾーム氏は指摘する。

「MANのBEVトラックは最大534kWhのバッテリーを搭載しています。(これだけでは600km以上を走行することはできないが)法定休憩時間に充電できれば航続距離を300~400km伸ばすことができます。メガワット充電システム(MCS)ならバッテリーを80%まで回復できるからです」。

(注:日本の「430」休憩と同様、欧州では「4.5時間の連続運転につき45分の休憩」が法律でトラックドライバーに義務付けられている)

 アリアンツ・アレーナの充電パークは、現状では全く足りていない大型車の駐車場と充電設備を一体的に整備しつつ、FCバイエルンとしては試合のない日も施設を有効活用して脱炭素の取り組みを進めることができるという、画期的なプロジェクトなのだ。

 なお、MANの新型BEVトラックは、運送会社の駐車場で夜間充電するケースを想定してCCS規格の充電にも対応する。CCSコネクタの搭載位置は、車両の右、または左、さらにリア右側も可能。MCSは常にドライバーサイドだが、MCSを省き両側をCCSとすることもできる。

【画像ギャラリー】アリアンツ・アレーナの充電パークプロジェクトとMANのBEVトラック(7枚)画像ギャラリー

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