EVトラックの運用に充電制御は必須!? いすゞが伊藤園の営業所でエネルギーマネジメントの実証を開始

EVトラックの運用に充電制御は必須!? いすゞが伊藤園の営業所でエネルギーマネジメントの実証を開始

 いすゞ自動車は、伊藤園およびアイ・グリッド・ソリューションズと連携し、BEVトラックの運用と施設エネルギーマネジメント(施設エネマネ)を両立させるための実証を10月より開始する。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/いすゞ自動車、伊藤園、アイ・グリッド・ソリューションズ

実証のあらまし

<br>いすゞのGATEXと、アイグリッドのR.E.A.L. New Energy Platformの連携イメージ

いすゞのGATEXと、アイグリッドのR.E.A.L. New Energy Platformの連携イメージ

 いすゞ自動車は、車両の運行管理サービスや稼働サポートを提供する商用車情報基盤「GATEX」と、アイ・グリッド・ソリューションズの施設電力使用量の実績・予測データを持つエネルギーマネジメントプラットフォーム「R.E.A.L. New Energy Platform」を連携させる実証を10月より伊藤園の充電施設・BEVトラックを用いて行なう。

 いすゞとアイグリッドは、昨年3月の小型電気トラック「エルフEV」の市場投入に合わせ、これらのプラットフォームを連携させ、効率的な充電マネジメントを実現する取り組みを発表。

 いっぽう「おーいお茶」などで知られる伊藤園では、昨年10月より茶殻配合軽量パネル(軽量化と石油資源削減に貢献する伊藤園と岐阜プラスチックが開発した茶殻リサイクルパネル)をボディに採用した、エルフEVベースのボトルカー(都内各営業所で計30台)の導入を開始するなど、環境負荷低減を図る取り組みを進めてきた。

<br>茶殻配合軽量パネルをボディ(スライドドアやバックドア)に採用したエルフEVベースのボトルカー

茶殻配合軽量パネルをボディ(スライドドアやバックドア)に採用したエルフEVベースのボトルカー

 現状BEVトラックは、充電時間によるダウンタイム(非稼働時間)が課題となっているが、複数台を運用する場合、充電計画が複雑化するほか、施設側では電力デマンド(30分間の使用電力の平均値)がピーク値を超過することで電気コストが増大するような新たな問題も生じる。

 そのため、適切な充電計画の策定と、それに基づく充電制御を行なう電力のピークシフトが求められている。

工場等の高圧受電は電力デマンドのピーク値で契約電力が変動するため、平準化することで施設の電気コストを抑えることができる
工場等の高圧受電は電力デマンドのピーク値で契約電力が変動するため、平準化することで施設の電気コストを抑えることができる

 今回の実証では、エルフEVでルートセールスを行なう伊藤園・浅草支店において、GATEXとR.E.A.L. New Energy Platformを連携させ、配送計画と施設の電力デマンドに基づいた充電計画を策定、それに則った車両側でのピークシフトを行なう充電制御を実地検証する。

 いすゞはこの実証を通じ、車両運用と施設エネマネの両立を実現し、同社が提供するBEVの導入時の課題解決と脱炭素化を支援するトータルソリューションプログラム「EVision」のさらなる拡充を目指すとしている。

【実証の内容】

実施期間
2024年10月~2025年9月

実施内容
配送計画と施設デマンド超過抑制を考慮した充電計画の立案支援機能および充電計画に基づく充電制御
・電力測定機による施設の電力使用量計測、モニター及び予測
・電力使用量の予測に基づく、施設デマンド超過抑制を考慮した充電計画の策定
・充電計画に基づく、遠隔での充電制御

【画像ギャラリー】いすゞ、伊藤園、アイグリッドが実現を目指す脱炭素化への取り組み(5枚)画像ギャラリー

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