奈良県を中心に土木・建設業を展開する塚本商事は、アリソン製フルオートマチックトランスミッション搭載の日野レンジャー・FJダンプトラック(車両総重量14トン)を2019年に導入。2025年末には同仕様の後継車へ代替を行なった。
同車は、狭隘な住宅造成地などの現場で高い運搬効率とATによる優れた操作性を発揮できるとし、塚本商事の高い評価を得ているという。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/アリソンジャパン
狭い現場で発揮する「アリソンAT搭載8トンダンプ」の強み
塚本商事が手掛ける住宅造成工事では、1日あたり平均70トンの砂利を場内の仮置き場から、各現場に個別運搬している。
現場周辺の道路幅は狭く、大型ダンプでは進入できないケースが少なくない。いっぽうで、4トンクラスでは運搬量が限られるため、何度も往復しなくてはいけないといった課題が挙がっていた。
こうした環境において、中型車ベースに8トンの積載量を確保した日野レンジャー・FJダンプ(いわゆる増トン車)は、中型クラスと同じA05C-TE型エンジン(240PS/81kgf・m)を搭載するいっぽうで、狭い現場でも取り回しが効き、高い利便性を発揮できる特徴がある。
さらに、日野のFJダンプに設定されるアリソン2500シリーズの6速ATは、トルクコンバーターにより発進時に最大1.58倍のトルクを増幅。中型用エンジンで不足しがちな低速トルクを補えるメリットも大きい。
また、トルコンによる滑らかな発進性能に加え、ギア比の深い1速発進(AMTでは通常2速発進)を採用しているため、砂利道でも力強い発進が可能なほか、プラネタリーギア機構により、坂道でも変速ショックの少ない加速性能を実現する。
さらにクリープ機能により、住宅造成地や狭い構内での微速走行もしやすく、細かな車両操作が求められる現場で扱いやすいなどの理由から、増トン特装車×アリソンATの組み合わせは、近年需要が高まりつつある。
塚本商事もこうしたメリットに着目し、アリソンAT搭載のFJダンプを2019年に導入。走行距離13万キロを超えてもトランスミッションはノートラブルだったという。
同社・塚本佳成社長は、今回の代替について「AT車の高い生産性と耐久性を実感したことが代替の決め手になりました。同業者でも4トン車から8トン車へ切り替える動きが増えており、特にAT搭載車への関心が高まっています」と語っている。
また、前のFJダンプを買い取り、塚本商事が保有する車両の定期メンテナンスを担う岡田自動車の岡田義則社長は、「中古市場では8トンクラスのダンプ需要が高まっています。AT車は流通量が少なく、高値で買い取ることができました。想定以上の売却価格になったことも、代替を後押ししたのではないでしょうか」と述べている。
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