■半導体不足の理由と解決策への提言を時短解説!
2020年秋頃からの世界的な半導体不足により新車の生産が滞るようになって久しい。納期は徐々に長期化し、写真のトヨタ ランドクルーザー300は4年以上の納車待ちといわれ、やむなく受注を停止した
クルマの開発には4年程の時間がかかる。モデルサイクルをだいたい5年とすると、自動車生産に必要な部品は最長で9年前の部品ということになる。価格もこなれて使う側にはいい話だが供給側にはうまみが少ないため、自動車用の古い半導体は生産を後回しにされがちだ(Andriy@AdobeStock)
半導体のイメージは「ハイテク」。経産省は用途も需要もいまだ不透明な世界最先端の2nm(ナノメートル)世代の半導体開発競争に力を入れている。現在はもっとローテクな汎用半導体の不足で困っているのだが、未来技術を優先するというのはどうもピントがズレている(Gorodenkoff@AdobeStock)
目先のことしか考えないのもよくないが、今日明日のことで困っている現状を差し置いて10年先の投資をしても、その10年先がやってくる前に自動車産業は立ち行かなくなってしまう(Gorodenkoff@AdobeStock)
ホンダ ZR-Vは半導体不足の影響を受け、2022年中の発売予定が2023年春へと大幅に延期された。未来技術の前に、世界中の半導体メーカーから中古の生産設備を買い集めて旧世代半導体の生産体制を整えないと、半導体不足はこの先も解決しないだろう