今回ご紹介する『西部戦線異状なし』の舞台となるのは第一次世界大戦末期。主人公パウルは友人たちとともに十代の若さでドイツ帝国陸軍に入隊する。当時は塹壕戦と呼ばれる戦術をとるのが一般的だった
主人公のパウルを演じるのはオーストリア人の俳優フェリックス・カメラー。世界的にはいまだ無名の、正直「イケメン」とは言い難い俳優。だからこそ映像にリアリティが増す
第一次世界大戦末期には機関銃の運用が本格化した時期。従来の正面突撃では根こそぎ掃射されるため、互いに塹壕を掘り、その中で好機をうかがいつつ睨み合うことになる
塹壕戦が主流の当時の戦術では、越壕能力の高い戦車は抜群の効果を発揮した
今作の戦闘シーンのほとんどは塹壕の中もしくは塹壕の周囲で繰り広げられる。戦闘中はもちろん地獄、休憩中も湿気や寒さとの戦いで、塹壕内はこれまた地獄の様相だったという
鉄条網やバリケードには敵か味方かも分からない死体が放置されている。その中で敵の次なる突撃に備えて銃を構えるのだ
ドイツのさまざまな地域から戦場へとやって来た戦友たち。多くはパウルのような若者たちだった
友人の死や自らに迫る命の危機を乗り越え、主人公パウルは戦士として成長していく。それは同時に人間性をなくしていくということでもあった
着任まもないパウルたち新兵は部隊の古参兵カチンスキーから戦場のイロハを教わる
同郷からきた戦友や他の土地からきた戦友……さまざまな人々との出会いと別れを繰り返しパウルは日々を生き延びる
同郷からきた戦友や他の土地からきた戦友……さまざまな人々との出会いと別れを繰り返しパウルは日々を生き延びる
同郷からきた戦友や他の土地からきた戦友……さまざまな人々との出会いと別れを繰り返しパウルは日々を生き延びる
同郷からきた戦友や他の土地からきた戦友……さまざまな人々との出会いと別れを繰り返しパウルは日々を生き延びる
戦争映画の場合「この俳優が演じているということは、こいつは終盤まで生き延びるな」と意地悪な鑑賞もできてしまうが、今作ではほとんどのキャストを世界的には無名の俳優が演じている。誰が戦死し、誰が生き延びるかは誰にも分からない
今回の映像化では、ラストシーンは前2作の印象的かつ衝撃的なものからは変更されているという。名画を名画たらしめるクライマックスを変更するというのは製作陣の今作への自信の表れともいえるだろう
原作小説にも前2作の映像化にもなかったオリジナルシーンとして、停戦協定の様子も描かれているという。このシーンがストーリー展開にどんな影響をおよぼすのか? それはぜひご自身の目で確かめて欲しい