センチュリーのブランド化によって、新たな道を模索始めたレクサス。ジャパンモビリティショー2025の会場では「LS」というサブネームを持つ2台のクルマが話題を集めた。かつてはフラッグシップセダンの呼称だったLSだが、レクサスはその意味をひっくり返そうとしているようだ。
文と写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】陸だけじゃなく空と海の制覇も狙うレクサスの展示を見て!(16枚)画像ギャラリー3列目の快適さのために後輪を小径化!
レクサスブースにはクルマはもちろん、空飛ぶクルマや電動カタマランヨットの模型まで展示され、「陸・海・空」のラグジュアリーを全方位で展示してみせた。
そんな中注目を集めたのが2台の「LS」だ。1台は6輪ミニバンの「LSコンセプト」、もう1台が「LSクーペコンセプト」という(もう1台「LSマイクロコンセプト」は小型モビリティのためひとまず除外)。
これまでLSといえば、レクサスのフラッグシップセダンだったが、時代や価値観が変化する中、レクサスはこれを「ラグジュアリー・スぺース」へと再構築させようとしている。上記の2台は、その「LS」の意味をそれぞれ独自に解釈したクルマといえる。
まずはLSコンセプト。大型ミニバンが持つモノスペースを、自分だけのプライベート空間として昇華させたプロトタイプだ。
目を疑いたくなるのが、前代未聞の6輪車だということ。とはいえこれには明確な理由がある。
ミニバンの3列目シートに乗り込むには、2列目シートを倒す必要がある。この無粋な行為をなくし、もっと優雅に乗り込めないか。それには後輪のホイールハウスの出っ張りを小さくし、開口部を広くすればいい。
そこで車輪を小径化するわけだが、そうなるとリア2輪では荷重が支えきれない。結果LSコンセプトは、小径6輪という異形のミニバンとなったのだ。
LSコンセプト、実は2列目を回転させて対座レイアウトにもなるのだが、レクサスお得意の「竹」を使った室内のしつらえはまさに心落ち着くプライベート空間という感じ。6輪のまま市販化されることはないだろうが、レクサスのやる気を感じる攻めた1台とはいえそうだ。
天井からドローンが発進!?
もう1台は、LSクーペコンセプト。3年前のジャパンモビリティショーに展示された「LF-ZC」の進化版ともいえる4ドアクロスオーバークーペだ。
大径タイヤのせいかコンパクトに見えるが、実際は大柄で(サイズは非公表)、現在市販されているLSとほぼ同じ室内スペースを実現しているという。
前述したLSコンセプトとの違いだが、あちらが空間ボリュームそのもので勝負したのに対し、こちらは限られた空間にどれだけエンタメ要素を重詰め込めるかに腐心したという。
実際室内は、座る位置によってそれぞれの楽しさが込められている。運転席はドライビングプレジャーを味わう場として臨場感を高めるいっぽう、隣の助手席はフロアやシートの色調が切り替えられていて、アーム状のダッシュボードに格納されたタブレットも使用できる。
いっぽうリアシートはバンブーマテリアルに囲まれたモダンなソファというしつらえ。膝前も広々していて、くつろいだ姿勢で移動が楽しめる。
しかし極め付けは、ルーフ後端に埋め込まれたドローンだろう。必要に応じて車内から離陸させることができ、サーキット走行時などに自車を空撮させることもできる。従来は考えられなかった新鮮な移動体験といえる。
レクサスブースのブリーフィングでチーフ・ブランディング・オフィサーのサイモン・ハンフリーズ氏は「相反するものの調和こそが、LEXUSの真骨頂」と語った。紹介した2台はまさに相反するキャラクターを持ちながらも、見事なラグジュアリー空間を作りだしていた。
ぜひその妙味を、現実の市販車で具現化してほしい!




















コメント
コメントの使い方スバルやダイハツ、センチュリー等が目立ちまくってるので相対的に話題になりませんが
実は六輪LSだけじゃなくLSクーペも、一人乗りLSも、物凄く挑戦的なコンセプト。
普段だったら話題の中心になっただろう尖りまくった三車で、よく見れば見るほど面白いです。