走行モードの評価はいかに!?
新型NSXには「QUIETモード」「SPORTモード」「SPORT +モード」「TRACKモード」という4つの走行モードが用意される。
「TRACKモード」こそサーキットなど向けの激しいモードだが、とくに今回紹介する記事では「QUIETモード」が気になっているようだ。
このクルマの「Quietモード」は言うなれば「ご近所さん向けの礼儀正しいモード」と言えるだろう。なぜかといえば、時速30マイル(約48km/h)まではEVモードで走れる。
他の「Sport」「Sport +」「Track」モードへの切り替えでドライブトレイン、サスペンション、そしてマフラーの音量も制御する。EVの駆動がどうしても低速でギクシャクしがちなトランスミッションを滑らかに演出している。
走行性能はどう評価された?
3モーターにV6ツインターボ。とてもユニークなパッケージングのスーパーカーとなったNSX。アメリカ人の好みもあるとは思うが、日本との評価の差はあるだろうか?
最初に述べたようにこのハイブリッドはすべてパフォーマンス向上に使われている。3つのモーター、そしてあなたの頭のすぐ後ろにある3.5LのV6ツインターボエンジンが573psを発揮するのだ。
このすべてのパワーと、地面を鉤爪のように掴むトラクションが強力な推進力を発揮し、ぼーっとしていると助手席の乗員の頭をヘッドレストに押し付ける。
典型的なミドシップカーらしく、ターンインのレスポンスは極めて俊敏で、これならどんなワインディングでもコーナーを楽しむことができるだろう。狙いどおりに切れるステアリングは自分の手がフロントタイヤと直結しているかのような錯覚すら覚える。
しかし公道でこのクルマの真の実力を知ろうだなんて試みてはいけないと付け加えておこう。
価格との折り合い
価格は「輸入車」となる日本よりは安く1600万円がスタートライン。こうなるとポルシェ911ターボなども現地では競合車種になりうる価格帯だ。お買い得感があるのか、それともやはり高いのか。現地の声を聞いてみよう。
もし幸運にも15万7800ドル(約1641万円)を払える余裕があるのなら、あなたはアキュラの最初の注文生産のモデルを買うことができるであろう。そしてそのクルマがここ、合衆国のオハイオ州のメアリーズビルで生産されているのも忘れてはならない。
新型NSXはこれまでのいかなるクルマとも違う生物である。よりパワフルで、ハイテクで、複雑で、さらに高度に洗練されているのだ。そう、新型NSXは初代と比べれば本能的に乗るクルマではない。
純粋主義の人々はきっと「ビデオゲームのようだ」と評するかもしれない。しかしながら新型NSXは確実にレベルを上げ、世界の名だたるスーパーカーと接近戦を行うステージに立っているのは間違いない。
日本との比較
このように見ていくとNSXの評価軸はやはりそのメカニズムにあるようにも思える。特に最後の章のた「新型NSXは初代と比べれば本能的に乗るクルマではない」という表現が、アメリカでのNSX評のコアを表しているように感じる。
ここで使われた”visceral to drive”という表現は直訳すれば「内臓で感じるように運転する」となる。
高回転までよどみなく回るエンジン、適度に引き締められた足回り、そしてオールアルミのボディなどまさに「内臓で感じる(=本能で走る)」存在だった初代NSX。実は初代こそ、新型にとって最大のライバルかもしれない。
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