なぜ新型インプレッサは高評価なのか?【日本カー・オブ・ザ・イヤー2016-2017受賞】

新型インプレッサの質感、室内の居住性はライバル車を圧倒

 モータージャーナリストの諸星陽一氏

 新型インプレッサ、ボディが新プラットフォームなら、シートも新プラットフォームだ。

 シートは表皮のみの変更ではなく、内部構造から一新された。腰に小さな爆弾を抱えている私は、素性の悪いシートに座ると10分かそこいらで爆弾センサーが反応するが、インプレッサは2時間にわたるドライブでも腰はヒクヒクしなかった。

 シートの表皮やドアトリムの質感も高い。

 光沢を抑えたメッキパーツや適度なコントラストを持つツートーンのシート表皮などアクセントの使い方も上品で好感が持て、高級感がある。

 直線部分が多く、カドがとがった印象があるのはいわゆるガンダム系で現代的なのだろうが、見ているうちにさほど気にならなくなる。

 Cセグメントの最新モデルであるインプレッサは、ライバルを徹底的に研究しつつ、コストとオリジナリティのなかで苦悩しながらクルマを作りあげた。現状最も新しいCセグがインプレッサといえる。

 先代ではライバルにひけを取っていた居住性の面でも、一歩抜きんでた。ライバルとなるマツダのアクセラやVWゴルフなどと比べても充分に広い。

 さらにインプレッサスポーツはライバル車と比べてワゴン寄りのパッケージングなので、ラゲッジスペースも広くなっていることも見逃せない部分。

 まだ1.6Lのベーシックグレードは試乗していないのでなんともいえないが、192万2400~259万2000円の価格帯を考えればかなりのバリューを持っているといえる。

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インパネまわり

安全性の評価は? アイサイトVer.3は世界一なのか?

 自動車の安全性に詳しい西村直人氏

 新型インプレッサ(以下、新型インプ)の基本設計には、疲れにくさ、使いやすさを織り込んだというが、これはクルマの基本性能である走る、曲がる、止まるのすべてにおいて人中心のクルマ作りが行われていることを意味する。

 加えて、優れた衝突安全性能を誇るスバルグローバルプラットフォーム/SGPを採用したうえで、全車にアイサイトVer.3と新規開発した歩行者保護エアバッグも標準で装備する。

 しかも車両価格は190万円台と平均新車購入価格(214.2万円/自工会調べ)を大きく下回る。このように高い安全性能を現実的な価格帯で実現した新型インプだが、改めてスバルの安全哲学について考えてみたい。

 アイサイトの原型はレガシィ・ランカスターに搭載されたADAだ。

 1988年に開発がスタートし、1999年に市販化されたADAS(先進安全技術)は、今や追突事故を84%減少(Ver.2)させるまでに精度が高められた。

 新型インプが搭載するVer.3ではセンサー(光学式カメラ)の視野角と視認距離を各40%ほど向上させており、さらなる減少率も見込める。ところでこうしたADASは危険を察知した第一段階でドライバーに回避動作を行わせることが何よりも大切。

 その意味で新型インプがこだわった0次安全は注目に値する。死角が少なく強靱かつ安全なボディや、最適な面圧分布で快適でありながら急ブレーキがいつでも踏める着座位置を実現した運転姿勢がそれだ。

 また、SGPではステアリング操舵の応答性を高め緊急回避性能を向上させたが、開発責任者の阿部一博氏は「自動操舵システムとの親和性も考慮した結果」と語る。未来も楽しみだ!

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インプレッサらの展示の様子

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