BMW3シリーズの1.5L、3気筒ターボは小型ながらチープな印象も
続いてBMW318i。コチラは2Lの4気筒から1気筒を取った1.5L、3気筒のダウンサイジングターボである。エンジンを1気筒ぶん短くすることが可能なので、エンジンサイズの小型化が可能だ。
それだけでなく、ピストンやバルブなど部品の数も20%以上少なくなるため、製造コストまでダウンサイズできるという大きなメリットを持つ。いろいろな意味で効率のいいダウンサイジングなのである。
どれどれ、と試乗してみたら「うーん」。4気筒より明らかに安っぽい感じ。A4は4気筒のまま排気量を小さくしたこともあり、上質になった。されど、318iは3気筒を選んだため振動が出てしまっている。
特に厳しいのが日本の道路で多用する2000回転以下の領域だ。それ以上回すとバランサーの効果が出るらしく“ほぼ”気にならなくなるものの、低い回転域だとモロに安っぽい3気筒という感じ。
ミニや2シリーズといったベーシックモデルであれば納得できる3気筒も、400万円以上するプレミアムDセグメントに搭載すると「アカンですね」。素直に4気筒の320iを選ぶ。
しかも出力だって184psから136psに落ちるし、トルクも270Nmと220Nm。A4の150ps/250Nmを考えると物足りない。車重だって1550kgもあり、軽くない。購入を考えているなら、ぜひ2Lと比較試乗を。
国産勢は効率よいダウンサイズターボが作れていない
さてさて日本勢やいかに? 残念ながら現時点では本当の意味でダウンサイジングターボと呼べるモデルは出ていない。
例えばレガシィ(NAの2.5L、4気筒搭載)にレヴォーグ用の1.6L、4気筒ターボを載せたってエンジン本体の大きさは同じ。A4のような軽量化などできない。
トヨタの1.2Lターボエンジン(オーリスに搭載)も、出力が足りない(116ps)。せめて2Lエンジンと同等の出力にし、Dセグメントクラスのモデルに搭載しないとメリットを引き出せないだろう。
ステップワゴンの1.5Lターボは「排気量の減少による振動性能の改善」こそハッキリ出ているが、ターボなしの2Lと比べた時の軽量化や燃費の改善は実現できていないように思う。
レギュラーガソリンだと熱効率の追求が難しいのだろう。ターボなしの2Lに燃費で思いのほか差を付けることができていないのだった。
結論から書くと、ダウンサイジングターボ技術は日本勢にとって超苦手。諦めるのか、それとも今から頑張るのか?
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