月に200店のディーラーを回る遠藤徹氏。その遠藤氏が足で稼いだディーラーでの最新情報を毎回お届けするのがお馴染みの「地獄耳スクープ」。
今回はモデル廃止の危機にあるプリウスαとクロスオーバー7の話題、そしてスズキの大躍進、大きく変わるマツダのミニバン戦略の詳細をお届けします。
文:遠藤徹/写真:トヨタ、マツダ、スズキ、スバル
ベストカー2017年1月26日号
好調の新型プリウスにα(アルファ)の設定はなし?
トヨタ販売店筋によると、「トヨタは次期型プリウスαの開発プロジェクトを稼働させておらず、モデル廃止の方向で検討中らしい」とコメントしています。
プリウスαは先代プリウスをベースに全長や全高を拡大し、ステーションワゴン感覚のボディレイアウトにしながら、2列シート5人乗り&3列シート7人乗り仕立てとしたコンセプトで2011年に登場しました。
最近はモデルが古いこともあり、月販1500台弱の推移でプリウスシリーズ全体の10%前後にとどまっています。
ステーションワゴンや3列シート車はここ数年、ボックス型のミニバン以外はニーズが急速に低下しており、モデルチェンジしても売れゆきの回復は難しいことから、今後モデル廃止を検討することになると思われます。
プリウスに比べ車重が重くて燃費改善が難しいという事情もあります。まだ最終決定をしていないことから、多少コンセプト変更をして違ったレイアウトで継続する可能性も残されています。
マツダはCXシリーズの充実でミニバンから完全撤退へ
マツダは2018年までの国内次世代商品ラインアップでプレマシーとビアンテを廃止してミニバン市場から完全撤退し、代わってCX-3、CX-4、CX-5、CX-6のSUVラインアップの確立で対応する方針のようです。
CX-3がコンパクト、CX-4がミディアム、CX-5がアッパーミディアム、CX-6がラグジュアリー、というのが各クラスのポジションです。
それぞれに乗用車とSUVの中間のコンセプトを持つクロスオーバータイプ、オフロード色のクロカンタイプという2タイプを設定し、従来以上に幅広いユーザーをターゲットとしてより多くのユーザーを確保を目指します。
搭載するパワートレインはクリーンディーゼル車が1.5Lと2.2Lのターボ、ガソリン車は1.5L、2L、そして2.5Lで一部にターボ仕様も用意し、それに2Lハイブリッドをラインアップします。
また、2列シート5人乗りが基本ですが、上級バージョンには3列シート7人乗りも展開する見込みです。
SUVのラインアップはトヨタ、日産、三菱、スバルも充実化を進めており、国産メーカー間で国内、グローバルでのシェア争いが今後一段と白熱する方向にあります。
マツダの武器はクリーンディーゼル車ですが、ディーゼル車のラインアップ強化はトヨタ、三菱も進めており、こうした局面でも競争が激化する可能性が高くなります。
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