2015年7月に発売されて以来、快進撃を続けるシエンタ。デビュー以来、国内販売ランキングでつねにプリウス、アクアに続く3~4番手をキープし続けている。
事実上ほぼ死んでいた小さい7人乗りミニバンを復活させた1台といってもいい。では、クルマとしては上位のノア/ヴォクシーを越えるほどの実力を備えるのか?
プチバンが注目を集めるようになった今、改めて下克上の度合いを考えてみる。
文:小沢コージ
初出:ベストカープラス2016年1月18日号
コストパフォーマンスは日本一!?
シエンタは今のヤングファミリー向けのミニバンキング、ノア/ヴォクを一部完全に越えたし喰ってるといっても過言じゃない。
もちろん絶対的広さじゃノア/ヴォクを100としたらシエンタは70かヘタすると60程度だ。が、カッコよさというか、こと“家族っぽくないデザイン”って面じゃシエンタ80でノア/ヴォク60ぐらいと逆転する。
実際に使ってみての広さでもシエンタは凄くよくて、見た目以上に中身は広くて、特に3列目は大人も意外に座れる。
それから走りだが、ノア/ヴォクはふつうにパワーがあって燃費ソコソコのガソリンだけでなくハイブリッドが売り。その両刀遣いの巧みさはシエンタも同じ。
走りはどっちがいいかって、どっちも正直大したことない(笑)が、個人的には軽快に使えるシエンタのガソリンが一番いい。
でもシエンタハイブリッドの27.2㎞/LというJC08モード燃費はハンパない。実燃費20㎞/Lも夢じゃなく、コイツはカネのないヤングファミリーには無視できない恩恵だ。
それからやっぱり取り回しよ。ノア/ヴォクは正直運転がふつうにできるお父さんなら全然ツラクないはず。
でもファミリーカーの最大の問題はママ運転。運転がニガネなママに、デカい箱型ミニバンは酷も酷。あれだけで「出かけるのヤダ」って人がいるのも当然で、そこんところ女性の気持ちがまるでわかってない。
ところがシエンタの運転の楽さったらハンパない。絶対的小ささはもちろん、視界も悪くない。
ある意味ノア/ヴォクはどんなによくても「出来のいい布オムツ」だったがシエンタは完璧に「今どきの紙パンツ」。この開放的な楽さは比べものになりません!
コメント
コメントの使い方