さらに凄いカタログモデルのRZ600e“F SPORT”Performance
サーキットでは、特別仕様車の「RZ600e“F SPORT”Performance」も乗ることができた。考えてみると、こういうタイプのBEVというのは世界中見わたしてもそうそうない。前回は100台の限定車だったが、今回は買おうと思えばいつでも買えるようになったというのは実にありがたいことではないか。
まず見た目からして圧倒されるが、乗るとさらに凄い。システム最高出力が425.3psもあるので、瞬発力もあれば伸びもある。エアレースパイロットの室屋義秀選手が開発に携わったというド派手なエアロも効いて、タイヤのグリップ感も標準モデルとは別物だ。
公道では、上記の「RZ550e“F SPORT”」とともに、航続距離733㎞を誇る前輪駆動の「RZ350e“バージョンL”」にも試乗した。
ステアバイワイヤという新兵器を手に入れたRZ550e“F SPORT”は、公道でのやはりパワフルさが光り、交差点やカーブが連なる道路でもなんら違和感はなく、キツめのコーナーでもハンドルを持ち替えずにすむというのはやっぱりラクだ。それに路面が荒れていても不快な入力は伝わってこないので、ステアリングフィールはスッキリしている。
高速道路ではビシッとした直進安定性を保ってくれる。概ね100km/hで一般的なクルマと同じ程度のレシオになり、しかも正確に動くのでレーンチェンジでも挙動を乱すことなく、同乗者もより安心して快適に移動できる。
足まわりは従来よりもひきしめる方向でチューニングしたらしく、乗るとたしかにそうなっていたが、無駄な動きを抑えるとともに素早く収束させるようにした印象で、乗り心地としてはむしろ微妙によくなっているように感じられた。
一方の新兵器の付かない“RZ350eバージョンL”も、これまた完成度が引き上げられていて感心した。走り始めの感触からして、従来よりも滑らかさが増していて、静かで力強いことがわかる。
より扱いやすくなっているのに加えて、実は乗り心地も変わってたことが、走ってみるとよくわかる。従来だとガツンと来たであろう継ぎ目や凹凸も音がするだけで衝撃があまり伝わってこない。
これまでは全体的に突き上げや振動がやや気になったもので、この価格帯のクルマならもう少し上質なほうがいいなとかねがね思っていたのだが、新型はかなりよくなっている。
あとはこのインテリアもとっても好印象だ。こんなに映えるインテリアってあったっけ?と思ったのだが、実はもともとあって、新型では木目のような部分はそのままで、上のパネルの色が少し濃くされたそうで、本当にいい雰囲気を出している。ぜひ実車を見て欲しい。
ちなみに一充電あたりの航続距離は、RZ500e”バージョンL“(AWD)モデルの18インチタイヤ装着車が約18%向上した629km、20インチタイヤ装着車が579km、RZ350e”バージョンL“(FWDモデル、18インチタイヤ装着車)が約22%向上した733km、RZ550e”F SPORT”が582km、RZ600e”F SPORT Performance”が525kmとなっている。
というわけで新型RZは、すべてにわたって本当によくなっていることがよくわかった。
■レクサスRZ550e“F SPORT”
ボディサイズ:全長4805×全幅1895×全高1635mm
ホイールベース:2850mm
車両重量:2120㎏
フロントモーター:227ps/27.3kgm
リアモーター:227ps/27.3kgm
システム最高出力:407.8ps
0~100km/h=4.4秒
航続距離:582km
電費:144Wh/km
総電力量:76.96kWh
タイヤサイズ:20インチ
■レクサスRZ600e“F SPORT Performance”
ボディサイズ:全長4800×全幅1965×全高1615mm
ホイールベース:2850mm
車両重量:2140㎏
フロントモーター:227ps/27.3kgm
リアモーター:227ps/27.3kgm
システム最高出力:425.3ps
0~100km/h=4.4秒
航続距離:525km
電費:159Wh/km
総電力量:76.96kWh
タイヤサイズ:20インチ



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