2023年3月に発売されたレクサスのBEV、RZ。登場から3年が経ち、大幅改良を受けるとともに、ステアバイワイヤシステムとインタラクティブマニュアルドライブを装備した“F SPORT”を新設定。さらには特別仕様車のRZ600e“F SPORT Performance”を追加した。注目はやはり、飛行機の操縦桿を思わせるヨーク型ハンドルのデキだ。さっそく、お伝えしていこう。
文:岡本幸一郎/写真:森山良雄、レクサス
レクサス初のステアバイワイヤシステムを導入した“F SPORT”を追加
登場から3年、レクサスRZのビッグマイナーチェンジモデルが発売された。かなり大がかりに手が加えられているのだが、まずは基本となる部分で、全車に高出力モーターの搭載を含むBEVシステムの全面刷新により、プラットフォームが新しくされている。
注目は、新たに追加された“Fスポーツ”だ。運転する楽しさをもたらすべく、さらにスーパーウェポンが専用に与えられている。まずはそのあたりからお伝えしよう。
ひとつはかねてからウワサのあった飛行機の操縦桿のようなヨーク型ハンドリングの付いたステアバイワイヤシステムが、”F SPORTS”モデルに採用されたこと。もうひとつは新たに「インタラクティブマニュアルドライブ」という機構まで搭載されたことだ。名称のとおりマニュアルシフトを楽しめるようにするためのものだ。
ほかにも、空力性能に根差したエクステリアや、走りを想起させるインテリアなど、内外装デザインも独自に専用に仕立てられているほか、足まわりもより引き締める方向でチューニングされている。
まずは「RZ550e“F SPORT”の、誰もが気になるであろう、ステアバイワイヤシステムの話からすると、実は筆者、試作車の段階でも試乗したことが何度かある。
ステアバイワイヤ・ハンドル(ヨーク型ハンドル)は、どうにも違和感があって上手く乗りこなせなかったのだが、今回は特設コースで1発目からちゃんと乗れた。2回目はもっと上手く乗れた。ただ、車庫入れだけはどうしても持ち替えてしまって、もう少し慣れが必要だったが……。
いよいよコースイン。動きがやたらとクイックなのではと予想したものの、意外とそうでもなく、イメージしたとおりに曲がってくれて、違和感らしきものはない。
試作車からはいろいろ変更されているわけだが、最大のポイントは、ハンドル1回転(ロックトゥロック)が150度から200度に変更されたことだ。
それだけ超クイックではなくなったわけだが、これくらいのほうがクイックさは十分に味わえながらも、「大いにこだわった」と開発陣が口をそろえる、違和感のない自然な動きも実現できていてよいのではと感じた。
それには今回、特性を見直して、自然で気持ちの良い走りの味をより深化させたという「DIRECT4」も効いているに違いない。モーターの出力も向上しているので、やっぱり速くて気持ちよく走れる。
※ステアバイワイヤシステム=従来のタイヤとステアリングが機械的に結びつくのではなく、電気信号によってタイヤの動きを制御するため、路面からドライバーに伝わる振動を効果的に抑制すると同時に、路面の状態をセンシングし、運転に必要な情報のみをドライバーに伝達
さらに、“F SPORT”系に新たに搭載された「インタラクティブマニュアルドライブ」というデバイスが楽しい。8速の仮想有段ギアをパドルシフト(スイッチ)を駆使してMTを操作するような感覚を楽しめるというものだが、これがまたよくできている。
アクセル開度と車速とに応じて算出した仮想パワーソーストルクに、パドルシフト(スイッチ)で選択した仮想ギア段のギア比を乗じて駆動力を出力することで、まさにマニュアルシフトそのもののような感覚を味わえる。
さらに、あたかもエンジンが搭載されているかのようなサウンドの演出や、シフトアップ/ダウンのタイミングを視覚的にも楽しめる専用のガイドメーターも面白い。
■レクサスRZのラインナップと価格
・RZ550e”F SPORT”(AWD)=950万円
・RZ500e“バージョンL”(AWD)=850万円
・RZ350e”バージョンL“(AWD)=790万円
・特別仕様車RZ600e“F SPORT Performance”(AWD)
特別仕様車ブラック&HAKUGIN II(白銀II)=1244万円
ブラック&ニュートリノグレー=1216万5000円













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