ベンツGLCクーペに「モノ作りの魂」を見た!!【水野和敏が斬る!】

従来車は隙間6〜8㎜、ベンツは4㎜

 前回Eクラスでもお話ししたように、このGLCクーペもドア開口部パネルの合わせ面の隙間寸法は4㎜幅で統一されています。

 従来からの6~8㎜の隙間で作られているアウディSQ5やレクサスRXと並べてみれば明確ですが、GLCのパーテーションは明らかに隙間が狭くピシッとしています。後部のハッチゲートまで4㎜幅でピシッと立て付けています。

 特にハッチゲートの4㎜均一のパーテーション隙間はとてつもなく凄いことなのです。どういうことかというと……、ハッチゲートを開けて横に力をかけて揺すってみればわかります。

 ガッチリしたヒンジや車体構造物で剛性たっぷりに取り付けられているので、まったくゆがみやガタがなく、むしろボディが一緒に動いて揺すられることがわかります。

 当たり前ではないかと思われる方も多いでしょう。ではアウディSQ5やレクサスRXで同じことをしてみます。両車ともにちょっと力を入れて揺するとテールゲートがグラグラとゆがんで動いてしまう。

 取り付けているヒンジや車体構造を見れば、ベンツのガッシリしたものとは対照的に小さなプレス鋼板製で見るからにヤワい。このゆがみやブレがあると4㎜パーティング隙間はできません。ゆがんで動いたときの余裕を持たせて8㎜幅が必要なのです。

 これが技術や作りというものなのです。こうした基盤の技術がしっかりとできていて、そのうえでサスペンションだとかエンジンといった話になるわけです。ベースになる土台がきちんとできていなければ本当にいいものはできない、ということです。こうした部分は結局のところ「人」です。

 工作機械や図面を作るCADやコンピュータではなく、どういうものを作るのか? 開発や製造に関わる「人」の考えや技術がなければできないことです。モノ作りの魂と言い換えてもいいと思います。

【水野和敏 試乗スペシャル動画】

 ※本記事のさらなる詳細は、現在発売中のベストカー2017年7月10日号(6月10日発売号)にてお楽しみください

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