2026年5月に登場したトヨタ ランドクルーザーFJ。兄弟たちと異なるIMVプラットフォームを採用しながら、走りは正真正銘ランクル一族の系譜を感じさせる本格派だ。クロカン4駆のスペシャリスト、高坂義信氏に解説していただこう。
※本稿は2026年7月のものです
文:高坂義信(四駆ライター)、ベストカー編集部/写真:奥隅圭之 ほか
初出:『ベストカー』2026年8月10日号
タフなロックセクションでの走破性は?
兄貴分よりも余裕のある250mmという最低地上高に加え、前後オーバーハングが短いため、アプローチアングルが32.4度、デパーチャーアングルが43.1度(ともに実測値)と大きく、安心して凹凸の大きな岩場に入り込んでいけます。
さらに前輪を大きく切り込んで斜めに岩場に進入していくことで、バンパー下を避けて、実質的なアプローチアングルをさらに大きく取ることができます。これはFJの角を落とした“サイコロデザイン”が効いています。
電制グリップコントロール機構「A-TRC」はモーグル路では役に立つのですが、少しのタイヤ空転でもラインを乱して、タイヤを載せた岩から滑り落ちてボディをヒットする危険性のある岩場では、標準装備のリアデフロックが効果的で、安心して走行ラインを狙うことができます。
サスストロークはけっして長いとは言えないのですが、硬めのバネのおかげで伸縮時に路面を捉える力(アーティキュレーション)が強く、これは70系よりも頼もしく感じるほどです。
狭い山間部での悪路走破性は?
見切りのいいサイコロデザインの車体は、木々に遮られた狭い山間部の未舗装路を走る際に安心感が高いです。シートポジションをやや高めに調整することで前方視界が優れ、窓から顔を出しての路面状況確認もしやすくなります。
ハンドルフルロックのタイトな分岐路でもショートホイールベースに加えオーバーハングが短いためクルリと曲がる。70や250ではこうはいきません。
斜度20度、深い凹凸が連続する急な下り坂ではDAC(ダウンヒルアシストコントロール)に任せることで、この場面では1~2km/hをキープして、安全、安心に走り切りました。
ブレーキを4輪独立に自動制御するため、フットブレーキでドライバーがコントロールするよりも姿勢を乱す可能性が圧倒的に低いのです。ブレーキやアクセルのことを考えず、ステア操作にだけ専念できるので、より安全に急坂を下れます。
2.7Lの直4ガソリンエンジンは非力では?
250ではそんな声も聞こえるようですが、少なくとも今回『さなげアドベンチャーフィールド(SAF)』を走った印象では、FJとの組み合わせで非力さを感じることはなかったです。
外周路を30~40km/hで走って動力性能に不満はありませんし、登坂シーンやロックセクションでも低速トルクの豊かさを感じました。岩に載る際などの瞬発力も充分なものでした。
ファイナルギア比は250の4.777に対しFJは4.555とやや低いものの、タイヤ外径が約50mm小さいため、タイヤ駆動面での実質的ギア比は両車ほぼ同等。約450kg軽い車重が寄与しているのでしょう。
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ランクルFJは70系にも負けないタフさと悪路走破性を持ち、しかもRAV4にも勝るコンパクトで扱いやすさも兼ね備えた“最驚”のランクルだということがわかった。恐るべし実力をもったランクルの末弟だ。
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