「今年中にヴェルファイア&アルファードがマイナーチェンジする」。
トヨタの各ディーラーへ通達された2017年下半期の新型車ラインアップスケジュール。
その情報に反応したのが「販売店の鬼」であり、ベストカー本誌に連載を持つ遠藤徹氏。
ここでは遠藤氏に各トヨタディーラーへ追加取材をしてもらい、ヴェルファイア&アルファードのマイチェン情報を調査してもらった。
文:遠藤徹
■東京モーターショーで新型車をお披露目予定
今年6月、全国のネッツ店(ヴェルファイア取扱店)、トヨペット店(アルファード取扱店)にトヨタ本社から通達があった。
「今下期の2017年10月から2018年3月までのあいだに(それぞれヴェルファイアとアルファードの)マイナーチェンジを実施する」
という内容だった。ただしマイナーチェンジの中身についてはまだ正式に明らかにされていない。
ただ時期だけを通達して、見込み客や従来型のオーナーに整備などのタイミングでそれとなく告げておき、内々で商談を進めておくように、という戦略である。

ヴェルファイアとアルファードの現行モデルの登場は2015年1月である。このことから、普通に考えれば来年1月がビッグマイナーチェンジの時期ということになる。
ただし今回は東京モーターショー2017が10月28日から開催される。
例年の実績から考えて、同ショーにあと数カ月でマイチェンを控えるモデル末期の現行型を出品することは考えられないので、参考出品というかたちで新型車を出品し、その直後の11月中旬あたりの発売が有力となる。
あるいは東京モーターショー直前の10月下旬に発表、発売というかたちも予想される。
では気になるマイチェンの中身はどうか。某販売店幹部から聞いたところによると、フロントマスクのヘッドランプ回り、グリルデザインを変えてより見栄えのいい(とは言っているが、おそらくさらに派手な)顔立ちを採用する。
ヴェルファイアは若者受けのするやんちゃな意匠、アルファードは落ち着いたオーソドックス志向と明確なコンセプト分けをより際立たせることになる。
メカニズム、装備、仕様内容ではパワーユニットを従来のガソリン3.5L、V6の代わりに、2Lダウンサイジングターボユニット搭載車を設定すると聞いているそう。
本当ならば大きなニュースだ(トヨタは2018年1月デビューの次期型クラウンでもV6エンジンを廃止して直4、2Lダウンサイジングターボエンジン搭載予定)。
安全対策では「トヨタセーフティセンスP」を全車標準装備する。
商品ラインアップでは現行ガソリン2.5Lに設定しているスポーツ&上級バージョンの特別仕様車を廃止し、1年後に別バージョンモデルを追加する予定で。価格は装備充実分約10万円の値上げとなる見込み。

■現行ヴェルファイア/アルファードはどんな人に売れているか
ネッツ店扱いのヴェルファイアは30~50代でスポーティ&スタイリッシュな志向を好むユーザーが主体。
トヨペット店扱いのアルファードはファミリー志向で高額所得者層、年齢は40~60代と、ヴェルファイアより10歳程度高齢。ただ明確に分かれているわけではなく、ダブりもある。
扱い店の関係で下取り車はヴェルファイアがヴォクシー、ウイッシュ、アルファードはプレミオ、マークⅡ、マークX、それに歴代ヴェルファイア、アルファードなどが目につく。
当然各クラスのライバル他銘柄(エルグランドやオデッセイ)からの代替えもある。

■それぞれの値引き額と攻め方
マイナーチェンジが近づいているせいか、ヴェルファイア、アルファードともに値引き額は拡大傾向にあり、今春あたりに比べるとそれぞれ10万円程度上乗せしている。
ナビ、ETC付だとヴェルファイアで40万円強、アルファードは30万円程度を一応の限度としている。ヴェルファイアを扱うネッツ店は同じ地域に別法人店が複数あり、同一車での競合が多いため、値引き幅は大きい。
攻め方としては姉妹車同士とエスティマ、エルグランド、オデッセイの各ライバル車との対抗を絡ませて粘るのがベスト作戦といえる。
ビッグマイナーチェンジが近いので、改良モデルの購入検討も匂わすと、より好条件が引き出しやすくなる。
ヴェルファイアにするかアルファードにするかは好みによっても分かれるし、値引き幅が大きいヴェルファイアのほうがお勧めというわけではない。
購入後5年以内に手放すのであれば、下取り査定額はアルファードのほうが20~30万円ほど高くなるケースもある。
したがってこのことを計算に入れながら、どちらにするか決めるようにするのがよりベストな作戦といえる。