トヨタ救急車はハイエースと違って何が特別?? 絶対の信頼性確保する秘密とは

■気になるトヨタ救急車の価格は?

写真はトヨタ救急車“ハイメディック“(4WD)/価格:1189万8000円
写真はトヨタ救急車“ハイメディック“(4WD)/価格:1189万8000円

 ちなみにトヨタ救急車の価格は、標準(乗車定員9人)で2WD/564万5000円、4WD/595万3000円。ハイメディック(乗車定員8人の高規格仕様)だと、2WD/1159万円、4WD/1189万8000円となっている。

 また、トヨタ救急車には、今年度から以下の新たなオプション品が3つ加わっている。

●アクティビーコン
 LEDを使ったパトライトの点滅モードを、通常の「ノーマル」、円を描くようにパトライトを点滅させ周囲に救急車の存在をより強くアピールする「ハイパーモード」、住宅地などでの作業の際に周囲に配慮するためパトライトを優しいゆっくりとした点滅とする「ソフトモード」としたもの。

●eカプセル
 新型コロナウイルスへの対応もあり、ストレッチャーに容易に装着できる単回使用の患者用ビニールカバー付で換気もおこなう簡易アイソレーター。

 入手しやすい日本製である点や車載前の電源は入手しやすい乾電池を使う点などが特徴で、eカプセルは2020年6月の発売後、11月に装着できるストレッチャーを拡大したver.2に改良されている。

●QQスクリーン
 プライバシー保護などのため救急車にカーテンは必要な装備だが、布製のカーテンは作業中の破損や衛生面といった問題や洗濯の手間もあり、現行ハリアーの調光パノラマルーフのようにスイッチで即曇りガラスになるというもの。

 今年度加わったオプション品は3つともネーミングに洒落っ気があり、このことには「ハードな現場だけに、作業後のなごみにでもなれば」という開発スタッフの心遣いのようなものを感じる人もいるかもしれない。

■ベースとなるハイエースと救急車はどう違う?

トヨタ救急車のベース車両であるハイエース。室内の作業スペース確保のため、救急車はハイエースよりもわずかに大きくなっている
トヨタ救急車のベース車両であるハイエース。室内の作業スペース確保のため、救急車はハイエースよりもわずかに大きくなっている

 パトライトや医療機器といった救急車としての部分を除くと、ハイエースに対してトヨタ救急車は以下の差別化が図られている。

●ボディサイズ&車重
 ハイエース スーパーロングボディの全長5380mm×全幅1880mm×全高2285mmに対し、トヨタ救急車は全長5600mm×全幅1895mm×全高2490mm(一例)に拡大されている。

 理由は、全長がリアバンパーに付くステップぶん、全幅がハイエーススーパーロングボディに対し小回りが効くようタイヤの切れ角を拡大、そのぶん外側に出たタイヤを収めるためのフェンダーモール分、全高は作業の際の室内高確保のためだ。

 車重もハイエーススーパーロングバンが2WD/1860kg、4WD/1970kgなのに対し、トヨタ救急車は一例で2580kgと架装分で相当重い。

●右側にもスライドドアが付く
 ハイエーススーパーロングボディは商用バン、10人乗りワゴン、小型バスのコミューターともにスライドドアは左側のみだが、トヨタ救急車には左側に加え乗降のためではなく医療機器のメンテナンスなどという目的で右側にもスライドドアが付く。

●サスペンションの変更
 医療機器は患者室の右側に集中するのに対応し、サスペンションのスプリングの硬さの変更など手が加えられている。

*   *   *

 調べてみると救急車は想像以上に丹精込めて造られているクルマである。

 加えて、救急車は公共の高い車両だけに、パトライトを点滅させている救急車を運転中に見た際には「自分が乗っていたら」という気持ちになって、とにかく救急車を先行させる動きを心掛けてほしい。

【画像ギャラリー】普段乗る機会はなく、乗る時は観察どころじゃない……改良されたトヨタ救急車を見る

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