旧車ブームにも見放された? 値が上がっていない大穴珍車6選

 国産車の海外流出が止まらない! よく知られているのは、1980年~1990年代の国産スポーツカーは北米の25年ルールにより、クラシックカーと認定され関税や排ガス規制の対象となることで、どんどんと海を渡っていること。

 さらに現在はJDM(Japanese domestic market)というトレンドがあり、日本市場のみで販売されていた軽自動車をはじめとした車種が北米で人気。これは普通のセダンや軽トラックなども対象となっている。

 一方、スリランカなどではトヨタ プレミオ/アリオンが高級車として大人気。税金の安い1.5Lエンジンのリアワイパー装着車は引く手あまたと言われている。

 北米、アジア圏で人気の国産車だが、なかにはこのブームに見放されたクルマもある。そこでここではまだ相場が上がっていない大穴の珍車を紹介しよう。

文/萩原文博、写真/トヨタ、ホンダ、ダイハツ、スズキ

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■大穴珍車1/bBオープンデッキ(2001年6月発売)

コンパクトカーのbBに荷台を採用しピックアップトラックとしたのが「bBオープンデッキ」

 まずは100万円以下でも購入できる中古車がある車種から。最初に取り上げるのはトヨタbBオープンデッキ。2000年に登場したハイトワゴンのトヨタbBに、リアに荷台を採用したピックアップトラックのbBオープンデッキが追加されたのは2001年6月。

 生産終了は2003年3月なので販売期間はわずか2年足らずという短命なモデルだった。開発主査はbB含め、86やスープラを手がけた多田哲哉氏であることは知る人ぞ知る事実である。

 ドアはセンタープラーレスで乗降性に優れた観音開きのドアを採用。また室内と荷台のオープンデッキが繋げられるデッキスルー機能を搭載し、利便性の高さも特徴だ。

 搭載するパワートレインは最高出力110psを発生する1.5L直列4気筒エンジン+4速ATの1種類で、駆動方式はFFのみというシンプルなグレード構成だ。

右側は通常の1枚ドアだが、左側は観音開きのドアを採用している

bBオープンデッキの中古車情報はこちら!(リンク先)

 現在bBオープンデッキの中古車の流通台数は約20台で価格帯は約38万~約169万円となっている。そして平均価格の推移を見てみると、3カ月前の2020年11月当時の平均価格約55万円で、現在は約67.8万円とジワジワと値上がり傾向となっている。

 これは走行距離1.3万km、販売価格169万円という奇跡の中古車の影響によるものだ。大半のbBオープンデッキの中古車は100万円以下で購入できるので、人と変わったクルマが欲しい! という人にピッタリ。

■大穴珍車2/ホンダ エレメント(2003年4月~2005年7月)

両側に観音開きのドアを採用し、デザインも個性的。遊び心を感じさせるモデルだった

 bBオープンデッキも観音開きドアを採用していたので、観音開きつながりでホンダエレメントを取り上げたい。2003年4月に登場したエレメントは、北米で生産され日本に輸入されていたモデル。

 こちらも国内での販売は2005年7月までとわずか2年3カ月という短命モデル。センターピラーレス構造と両側観音開きのサイドアクセスドアを採用したユニークな外観が特徴のSUV。

 テールゲートは二枚貝のように上下に分割するクラムシェル・テールゲートを採用。

 荷物の出し入れがしやすいだけでなく、ロアゲートには大人二人が腰掛けることも可能だ。インテリアは汚れたままの道具を気にせず積める水ぶき可能なワイパブルフロアをはじめ、防水シート表皮、撥水ルーフライニングを採用し、アクティブなライフスタイルをサポートする。

 搭載されたエンジンは、最高出力160psを発生する2.4L直列4気筒エンジンに4速ATが組み合わされる。駆動方式はフルタイム4WDだけで、以前カナダに旅行に行った際には、このエレメントをローダウンしたカスタムカーをたくさん目にした。

テールゲートも上下に開き、防水加工シートの採用などもあって、レジャーユースに最適

ホンダ エレメントの中古車情報はこちら!(リンク先)

 現在エレメントの中古車の流通台数は約52台で、中古車の価格帯は約38万~約170万円。高価格のクルマはカスタムカーだけでなく、ノーマル車も目立っている。中古車の平均価格の推移は、3カ月前の約85万円から現在は約94.6万円と値上がりしているが、年明けからはこの水準でほぼ横這いとなっている。

 スクエアで防水対策の施された室内空間はサーフボードをはじめ、アウトドア製品を積むのに優れている。アウトドアに出掛けることが多い人にオススメのクルマだ。

■大穴珍車3/スズキ X-90(1995年10月~1998年12月)

2ドア2シーターのノッチバッククーペスタイルのSUVという成り立ちで、かなり特殊な存在だった

 国産SUVの中で珍車中の珍車として語られることが多いのが、スズキX-90だ。1993年の東京モーターショーに参考出品され、好評だったため1995年10月に販売開始したものの、1998年年末に販売終了となり、わずか3年2カ月という短命なモデルだった。

 X-90はライトクロカンと呼ばれスマッシュヒットした初代エスクードの2ドアをベースとしたSUVで、本格的なラダーフレームを採用している。キャビンは2シーターで独立したトランクをもつ2ドアノッチバッククーペのSUVという特長的なスタイリングを採用している。

 ルーフは当時流行したワンタッチで脱着可能なガラスルーフを採用したTバールーフ仕様で気軽にオープンエアを楽しめる。

 搭載するエンジンは最高出力100psを発生する1.6L直列4気筒エンジンを縦置きにレイアウトし、ミッションは5速MTと4速ATを採用。駆動方式はパートタイム4WDのみという硬派な仕様だった。

トランクルームを持つ3ボックススタイル。脱着式ガラスルーフを採用するTバールーフで、オープンドライブを楽しめる

スズキ X₋90の中古車情報はこちら!(リンク先)

 新車時の販売台数が約1350台程度だったこともあり、生産終了から約23年が経過した現在の中古車の流通台数は約4台と絶滅の危機に瀕していて、価格帯は約55万~約139万円だ。

 なかでも最高価格の中古車は走行距離がわずか5000kmというもう2度と出てくることはないレア車だ。流通台数は少ないため、平均価格の推移は直近の3カ月の間はほとんど動きがない状況。このまま中古車が姿を消して、伝説だけが残るのだろうか。

■大穴珍車4:ダイハツ アトレー7(2000年7月~2004年12月)

軽自動車のアトレーワゴンの後部を延長して3列シートを備えたモデル

 100万円以下で購入できる珍車のラストは、2000年~2004年まで販売されたダイハツアトレー7。OEM供給されトヨタスパーキーの名称で販売された7人乗りのミニバンだ。

 アトレー7のボディサイズは全長3765×全幅1515×全高1895mmで両側スライドドアを採用したコンパクトなボディの中に7人乗りの3列シートをレイアウトした優れたパッケージが魅力だ。

 搭載されているエンジンは最高出力92psを発生する1.3L直列4気筒DOHC。ミッションは5速MTと4速ATが組み合わされ、駆動方式はFRとフルタイム4WDを設定している。

軽自動車のアトレーワゴンがベースとあって、7人乗りとはいっても小さい子供のいるファミリー向けとなる

ダイハツ アトレー7の中古車情報はこちら!(リンク先)

 現在、アトレー7の中古車は約12台流通していて、価格帯は約18.2万~約63万円。平均価格の推移は3カ月前の約22.5万円から現在は約25.5万円とじんわりと上昇。

 相場が値上がりする前に絶滅しそうな雰囲気だ。ちなみにOEM供給車のトヨタ スパーキーは流通台数が3台で価格帯は約33万~約59万円と高水準となっている。1BOXタイプで7人乗りという、軽ではない小型乗用車は貴重な存在で、知る人ぞ知るクルマだったから欲しい人はお早めに。

■大穴珍車5:トヨタ オリジン(2000年11月~2002年12月)

外観は初代クラウンをモチーフにしており、クラシカルな雰囲気が濃厚だ

 続いては“100万円台”から手に入る大穴珍車を紹介。まずピックアップしたのはトヨタ オリジン。オリジンは2000年7月にトヨタの国内自動車生産累計1億台達成の記念事業の一環として、初代クラウンをモチーフとした記念車として1000台程度発売された。

 小さな高級車として発売されたトヨタ プログレをベースに、センチュリー生産ラインから選ばれたクラフトマンの「匠の技」が各所に散りばめられたモデル。

 特徴のひとつが、初代クラウンも採用していた観音開きドア。これに現代的テイストのサイドパネルや丸みをもたせたルーフパネルを組み合わせ、優雅なスタイリングとなっている。

 搭載されたパワートレインは最高出力215psを発生する3L直列6気筒エンジン+4速AT。駆動方式はFRで4輪ダブルウィッシュボーンサスと高剛性ボディにより、しなやかで落ち着きのある乗り心地を実現していた。

初代クラウンの特徴の一つであった観音開きのドアを再現している

トヨタ オリジンの中古車情報はこちら!(リンク先)

 現在、オリジンの中古車の流通台数は約14台。価格帯は約180万~約480万円と非常に幅広い。ちなみに最高価格の中古車は走行距離1.6万kmのガレージ保管というモノだ。

 オリジンの中古車の平均価格の推移を見てみると、3カ月前の時点では約370万円だったが、流通台数の増加に伴い、現在は約302万円まで値落ちが進んでいる。これはこれまで高値安定が続いていたオリジンの相場が崩れつつあるのかもしれない。狙っている人はこのチャンスを見逃すな。

■大穴珍車6:トヨタ クラシック(1996年6月発売)

ベースモデルがピックアップトラックとは思えないほど、細かな部分まで手が加えられている

 そして最後に取り上げる珍車が、トヨタ クラシックだ。トヨタ市販車生産60周年記念車として、1996年に限定100台、800万円で販売された特別仕様車だ。

 トヨタAA型乗用車をモチーフとしたクルマで、ベースはピックアップトラックのハイラックスだった。搭載するエンジンは最高出力97psを発生する2L直列4気筒OHVで、4速ATが組み合わされる。

クラシカルなデザインと当時の各種装備を組み合わせた室内

トヨタ クラシックの中古車情報はこちら!(リンク先)

 現在トヨタ クラシックの中古車の流通台数はわずか3台で、価格帯は約229万~約320万円となっている。中古車の平均価格の推移を見ると、3カ月前が約303万円で今月が約299万円とほぼ横這いで推移している。

 現在人気のSUVでもブームとなる前は様々な個性的なモデルが登場し、消えていった。ヒットモデルの陰には時代を先取りしすぎて短命に終わったモデルがあるのだ。今回取り上げた珍車たちは、それほど値が上がっていないので今のうちに買っておいたほういいだろう。

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