■新シャシーで運動性能を向上
基本的な構造は、最新世代のコンチネンタルGTと共有するが、運動性能の向上を図るため、新技術をシャシーに投入することで、専用化している。
例えば、四輪独立操舵機構「エレクトリック・オールホイール・ステアリング」は、「コンフォート」などの快適志向のモードでも動的性能を向上させ、最もパフォーマンスに振った「スポーツ」モードでは、スピードモデルの実力を引き出せるようにチューニングが加えられている。
近年のベントレーは、4WD仕様が基本。それはコンチネンタルGTスピードも同様であるが、すべてのドライブモードで、トランクション制御とトルク配分を見直し、標準仕様のコンチネンタルGTとは異なるキャラクターを与えているとする。
またベントレー初となる「eLSD」を搭載し、トランクションやコーナリングの性能も高めているのも大きな特徴のひとつ。このようにパワートレーンだけでなく、足回りや駆動システムにも専用化することで、独自の世界観を築いているのだ。
■気品溢れる贅沢な内外装にも独自性が……
英国が誇るラグジュアリーカー、ベントレーだけに内外装の仕上げは、かなり贅沢なもの。しかし、エクステリアでは、各部にスピード専用パーツを配するに留まり、大掛かりな差別は行っていない。まさに英国高級車らしい通好みの仕上げといえる。
しかし、ブラック仕上げのグリルや専用デザインの22インチアルミホイールなどを取り入れ、よりクールな装いとし、走りへの強い拘りを漂わせる。違いのわかる人に理解してもらえればいい。まさに職人気質な作り込みなのだ。
インテリアデザインも基本的にはベースモデルと共通だが、スピード専用のトリムなどを取り入れることで差別化。しかし、エクステリア同様に、派手な演出はなく、仕様の違いと「SPEED」のエンブレムなどがさりげなく、個性を主張する。
最大の特徴は、レザーとアルカンターラのコンビ仕様のトリムで、この組み合わせは、スピードモデル専用となる。もちろん、内外装のカラーやアクセント仕上げなどは、オーナーの好みで自由にカスタマイズすることが可能。
フルオーダーが基本となる高級車のため、特徴的なキャラ付けもオーナーの楽しみとして残されているともいえよう。
日本でのデリバリーは、2021年第4四半期と公表されている。この希少なW12エンジン搭載のスポーツ ベントレーを街中で目撃するのは、早くとも2022年初頭となるようだ。
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