ピュアエンジン最後のスバル WRX S4見参!!! 正常かつ超絶に進化!!

正常かつ超絶に進化!! ピュアエンジン最後のスバル WRX S4見参!!!

 2021年1月24日をもって販売終了となっていたスバルのAWDスポーツセダン、WRX S4。新型の登場を心待ちにしていた人も多いはず。

 北米での先行発表を経て、11月25日に日本で正式に発表された。見た目が激変し中身(性能面)でも大きく進化した新型WRX S4について紹介&試乗記の2本立てで展開!!

※本稿は2021年11月のものです
文/松田秀士、写真/ベストカー編集部 ほか、撮影/佐藤正勝
初出:『ベストカー』2021年12月26日号

【画像ギャラリー】ピュアエンジンで堂々登場!! 大きく進化したスバル新型WRX S4を見る!!(28枚)画像ギャラリー

■見た目も中身も劇的に進化した

2021年11月25日に日本で正式に発表されたスバル WRX S4

 電動化真っ盛りのなか、ピュアエンジン車の期待の星、新型WRX S4が大きく進化して登場!!

 ボディサイズは全長4670(+75)×全幅1825(+30)×全高1465(-10)mm、ホイールベース2675(+25)mm。カッコ内は旧型との差で旧型よりも大型化。

 しかし、新型WRX S4は、前後が絞り込まれているため引き締まった印象だ。

 そのエクステリアのデザインコンセプトは、『アグレッシブ』で、スバルの新デザインコンセプトの「BОLDER」が盛り込まれている。

ブラックの樹脂パーツがポイント。空力パーツとして走りの進化に欠かせないWRX S4の重要パーツだ

 コの字型のヘッドランプ、ヘキサゴングリルなど、スバルのアイデンティティとともに、フロントバンパー下、前後フェンダー、サイド、ディフューザーとボディ下面を1周するブラックの樹脂パーツが精悍さを醸し出している。

 一方インテリアのデザインは、スポーティさと先進性の融合を具現化していて、素材、シートにこだわり、旧型に比べて高級感、質感は大幅にアップしている。

 WRX S4のキモといえば走行性能の進化で、レヴォーグで登場したフルインナーフレーム構造のスバルグローバルプラットフォームを採用し、セダンボディ用にリア回りの骨格接合部が強化されボディ剛性もアップ。

 エンジンは新世代水平対向4気筒直噴ターボのFA24。名前のとおり、排気量は2.4Lで、275ps/38.2kgmとEJ20(300ps/40.8kgm)よりもスペックダウンしているが、ドライバビリティが大幅に進化。

2.4L、水平対向4気筒直噴ターボエンジンは275ps/38.2kgmをマーク。ドライバビリティが向上

 この2.4Lターボに組み合わせられるトランスミッションは、スバルパフォーマンストランスミッション(SPTS)と呼ばれるCVTのみ。これがMT派をも納得させるほどいい仕事をしている。進化ぶりは事項の松田秀士氏の試乗レポートをお楽しみに。

 グレードはベースのGT-Hと上級のSTI Sport Rの2グレードというシンプルな構成で、それぞれに11.6インチのセンターインフォメーションディスプレイと先進安全装備のアイサイトX(GT-Hはオプション)が標準装備されるEXグレードが設定されている。

 GT-HはSIドライブでパワーユニットのキャラ変、STI Sport Rはドライブモードセレクトでパワーユニットと電制ダンパー、パワステ、AWDなどのキャラ変がそれぞれ楽しめるよう差別化されている。

 価格はGT-Hが400万4000円、STI Sport Rが438万9000円で、EXグレードは38万5000円高となっている。

 価格は高くなるが、EXグレードがオススメ。

■これが最後のピュアエンジンWRX S4か!?

エンジンはピーキーさがないため、ヘビーウェットでもクルマのコントロールがしやすい。サーキットでも結果的に速く走ることができる

 新型WRX S4を心待ちにしているファンも多いことだろう。電動化がレギュレーション的になりつつある今日で、もしかしたら最後の純内燃機関車になるかもしれないから。

 2代目となった現行レヴォーグのセダン版とも言える新型WRX S4のトピックはエンジンが2L(FA20)から2.4L(FA24)になったこと。さらに現行レヴォーグと同じフルインナーフレームのスバルグローバルプラットフォームを採用したことだ。

 そこでまだプロトタイプではあるが、試乗会場となった袖ヶ浦フォレストレースウェイで走りのパフォーマンスを確かめてみた。

 まず気になるのは2.4Lエンジンだ。実は旧型にも比較試乗できたのでそのフィールの違いだ。ハッキリ言って旧型の2Lエンジンでも充分にパワーがありパンチも効いている。

 それもそのはずスペック上はFA20型が300ps/40.8kgmというスペックに対して、新型FA24型は275ps/38.2kgmと発生回転数は同じでパワー、トルクともに下げられている。

 FA24はFA20のボアアップバージョンだが、ボアピッチなど中身はほとんど新開発。燃費対策も含めた進化と見るべきなのだが、FA24のほうがピーキーさがなくコーナリング中のアクセル操作がかなりイージーだ。

 これにひと役買っているのがSPTS(CVT)の進化だ。Sモード以上では完全に固定ギア変速となる。さらに「S#」ではよりアップシフトが速くなり、加速変速ショックも演出するのだ。だからFA24エンジンはまったく不満を感じさせない。

 試乗当日は雨が降ったり止んだりという路面状況だったので、FA20はパンチがあるぶん直線加速は気持ちいいが、コーナリングでのコントロール性は難がある。

 AWDのVTDシステムはアクセルワークひとつでアンダーにもオーバーにもハンドリングを変化させるので、アクセルコントロールに優れるFA24がハンドリングの楽しさを倍増してくれる。

エンジンは2.4Lに排気量アップされ、スペックダウンしたが非常にジェントルで扱いやすいエンジンに仕上げられている

 もちろんエンジンだけでなくボディとサスペンションの進化も見逃せない。インナーフレーム構造によって隙間を感じさせない締まりの効いたボディとサスペンション。

 電動ステアリングは2ピニオン式(レヴォーグと同じ)になり、STI Spоrt Rにはレヴォーグと同じZF製の減衰力可変ダンパーが採用されているが、バルブなどはWRX専用設計で、乗り味は明らかによりスポーティなハードサスだ。

 そのRの走りは旧型モデルとは明らかに異なる。コーナーアプローチの初期応答から速く、コーナリング中の切り足しにもしっかりと反応する。アクセルОFFでのターンインではアンダーステアな操舵反応はなく、切り込んだぶん、意のままにコーナリングを始める。

 ステアリング上のスイッチとセンターディスプレイからドライブモードを変更できるのだが、パワーコントロールがS#となるスポーツ+ではサスペンションはかなり締まり、スタビリティコントロールも最後はしっかりとスピンコントロールしてくれるのでウエットのサーキットでも気持ちよくスポーツドライブできる。

 またドライブモードをコンフォートにセットすれば、しなやかな乗り味に変身する。

 コンベンションダンパーのGT-Hにはフロントにリバウンドスプリングが採用されていて、こちらはRよりしなやかなサスペンションフィールだが、ハンドリングの本質は大きく変わることはない。

 大型のセンターディスプレイなどはレヴォーグからのキャリーオーバー。室内静粛性も各段に向上していて、先進安全技術のアイサイトXを含めてADAS性能もアップ。後席スペースもホイールベースの延長により+25mmとなるなどより居住性も向上。ロングツアラーセダンとしてもしっかりと進化している。


次ページは : 【番外コラム】WRX S4と同じ2.4Lターボ搭載 レヴォーグに『STI SPORT R』が追加!!