イタリアのトラックメーカー・イヴェコは2019年7月、従来の「ストラリス・ハイウェイ」に代わる長距離輸送用大型トラック「S-ウェイ」を発表した。
イヴェコにとって、フラッグシップモデルのフルモデルチェンジは2002年のストラリスの発表以来17年ぶり。新世代モデルは空力性能を追求したキャブを採用するなど快適性や環境性能が大幅に進化!
もしかしたらLNG仕様が日本に導入される可能性もあるイヴェコの新世代フラッグシップ「S-ウェイ」とはどんなトラックなのか見ていこう。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
【画像ギャラリー】LNG仕様の日本再上陸あるかも!? これがイヴェコの新世代フラッグシップモデル「S-ウェイ」だ!!(10枚)画像ギャラリー代替燃料に積極的な
イタリアの商用車メーカー・イヴェコ
イヴェコは1975年にフィアット、ランチア、OM、ユニック、マギルスドイツの5社の合弁によって設立された。現在はCNHインダストリアル傘下で、イタリア・トリノに本拠を置く。
ラインナップは、長距離輸送用フラッグシップの「S-ウェイ」、ライト特装モデルの「T-ウェイ」、中型汎用モデルの「ユーロカーゴ」、小型トラック/バンの「デイリー」の4モデル。
このほかバス、軍用車両、鉱山ダンプ、消防車両やエンジンなどの製造販売も行なっている。
欧州メーカーの中でもとりわけ代替燃料に積極的で、大型LNG/CNGのほか、中型の「ユーロカーゴ」、小型の「デイリー」にもCNG仕様を設定。エンジンは、グループ企業のフィアット・パワートレーン・テクノロジーズ(FPT)社製だ。
天然ガス仕様を設定する
新世代の長距離モデル「S-ウェイ」
同社が2019年7月に発表した「S-ウェイ」は、従来の長距離輸送用フラッグシップ「ストラリス・ハイウェイ」を17年ぶりにフルモデルチェンジしたもの。ラテン系のスタイルはまさにイタリアの伊達男を彷彿とさせる。
キャブは、幅2.5m/前後長2.25mのASのハイ/ロールーフ、幅2.3m/前後長2.15mのATのミディアム/ロールーフ、幅2.3m/前後長1.7mのADのロールーフを設定。最上級のASハイルーフは95mmのトンネル段差があるフロア中央部でも室内高2150mmを誇る。
エンジンはFPT社製のカーサ(CURSOR)シリーズを採用。8.7Lのカーサ9、11.1Lのカーサ11、12.8Lのカーサ13のディーゼル仕様に加え、8.7Lの12.8Lの天然ガス仕様を設定する。
トランスミッションはZF社製12段AMT「ハイトロニック」を搭載。操作はプッシュボタンで前進/ニュートラル/後退を選び、ステアリングコラム右側のレバーで補助ブレーキと手動減段操作を行なう仕組みだ。
北海道の小型LNG充填設備実証実験に
ギガLNGとS-ウェイLNGが参加?
三菱商事とエア・ウォーターは2020年10月、LNGを燃料とする大型トラック向けに、物流施設内の限られたスペースに設置可能な小型LNG充填設備を共同開発したと発表。近く北海道で実証実験を開始するという。
同実証実験では、北海道電力の協力を得て、小型LNG充填設備の有効性、および大型LNGトラックの実走行時におけるCO2排出量と燃料費の削減効果を確認。事業化を検討するとしている。
参加車両は、いすゞ自動車の大型LNGトラック1台と、イタリア製大型LNGトラック2台。詳細は伏せられているが、前者はいすゞギガLNG、後者は「S-ウェイ」のLNG仕様と見られている。
ちなみに、イヴェコは2018年に大型LNGトラック「ストラリスNP400」を日本市場に導入。フルモデルチェンジによって今後の動きが見えなくなっていたが、これを機に再び日本市場での動きが活発化するかもしれない!? 今後の動向に注目だ!!
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