新車がデビューすると、自動車評論家や自動車雑誌編集部員がその新車に試乗し、インプレッション記事を書いて、雑誌やWebに掲載されます。
いろんな雑誌やweb媒体に掲載している新車のインプレッション記事を読んでいると、アレ?誉めすぎじゃない? と思うことはありませんか?
この記事、ほんとに正しい評価をしているのでしょうか? 誉めすぎのクルマ、絶賛されたクルマに短所はないのでしょうか?
いいクルマなんですが、無理やり短所を渡辺陽一郎さんに探してもらいました。もちろん、自動車メーカーのしがらみ抜きです!
文/渡辺陽一郎 写真/ベストカー編集部
■ハスラー→設計古く、乗り心地が少し固い!
ハスラーは先代ワゴンRを基本に開発された。そのために現行ワゴンRに比べると世代が古く、ボディは少し重い。
現行ワゴンRスティングレーの車両重量は、ターボを装着しないノーマルエンジンを搭載したハイブリッドXが790kgだが、ハスラーXは800kgになる。
JC08モード燃費もワゴンRスティングレーの33.4km/Lに対して、ハスラーXは32km/Lだ。若干ではあるが、ハスラーに設計の古さが見られる(数値はいずれも2WD)。
そしてハスラーは最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)が前輪駆動の2WDで180mm、4WDは175mmに高められ、高重心でも走行安定性を確保するために乗り心地が少し固い。路上の細かなデコボコを拾いやすい。
車内は前後席ともに頭上と足元の空間が広くて快適だが、ファブリックのシート生地は少し滑りやすい。カーブを曲がる時など、体をもう少し安定させて欲しいと感じる。
安全装備は緊急自動ブレーキなどを用意するが、サイド&カーテンエアバッグはオプションでも装着できない。側面衝突に対する備えに改善の余地を残す。
■スイフトスポーツ→斜め後方の視界が悪く後席が窮屈
ベース車のスイフトにも当てはまる欠点だが、サイドウインドウの下端を後ろに向けて持ち上げた。しかも後席側はサイドウインドウの面積を狭めたから、斜め後方の視界が悪い。小回り性能に不満はないが、縦列駐車は行いにくい。
居住性は、前席は快適だが、後席は窮屈に感じる。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る同乗者の膝先空間は握りコブシ1つ半だ。フィットは同じ測り方で握りコブシ2つ半だから、スイフトスポーツはコンパクトカーのなかでも足元が狭い部類に入る。
しかも後席は背もたれの角度が立っていて、リラックス感覚も乏しい。後席が窮屈になったのは荷室容量を考慮した結果で、欧州製のコンパクトカーに多いパターンだ。
インパネ周辺は上質だがATレバーの操作感は気になる。もう少しメリハリを利かせて欲しい。
燃費についてはアイドリングストップが装着されない。1.4Lのターボエンジンも動力性能を重視した設定だから、JC08モード燃費は6速ATが16.2km/L、6速MTが16.4km/Lとなる。
2.3Lのノーマルエンジンに匹敵する動力性能を考えれば悪い数値ではないが、燃費をさらに節約することを考えて欲しい。
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