■ジムニーシエラ→4速AT、燃費が悪い、後席の足元空間が狭い
軽自動車のジムニーに比べるとボディは少し大きいが、オーバーフェンダーなどの外装パーツを装着しただけなので、車内の広さに変わりはない。
後席に大人が座ることは可能だが、足元空間は狭めだ。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る同乗者の膝先空間は、握りコブシの半分程度にとどまる。床と座面の間隔も足りず、膝が大きく持ち上がった着座姿勢になる。
後席の背もたれを倒せば荷室を拡大できるが、大した広さにはならない。居住性、積載性、乗降性は3ドアクーペに近い。
操舵に対する車両の曲がり方は、20年前に発売された先代型に比べれば正確になった。それでもステアリングシステムは、悪路向きのボール&ナット式だから、ヴェゼルのようなシティ派SUVに比べると操舵感は鈍めになる。あくまでも悪路で真価を発揮するクルマだ。
4WDはパートタイム式で、カーブを曲がる時に前後輪の回転数を調節するセンターデフなどを備えない。したがって舗装路は基本的に後輪駆動の2WDで走り、4WDのメリットが得られるのは雪道や悪路になる。舗装路の上だけで使うと、宝の持ち腐れになってしまう。
エンジンは直列4気筒1.5Lで、ATはいまどきトルクコンバーター式の4速だ。アイドリングストップも装着されない。これらのメカニズムは高い信頼性を備えるが、燃費数値はよくない。
WLTCモード燃費では、4速ATが13.6km/L、5速MTが15km/Lだから、2〜2.5Lエンジンを搭載するSUVと同等だ。
■ボルボXC60→全幅が1900mmと広すぎ、斜め後方が見にくい
全長は4690mmだからミドルサイズだが、全幅は1900mmとワイドだ。ホルボで最上級のSUVとなるXC90が1930〜1960mmだから、XC60でも全幅はあまり変わらない。混雑した街中や道幅の狭い裏道では持て余す。最小回転半径も5.7mと大回りだ。前方と側方の視界は良いが、斜め後方は見にくい。
内装の作りは丁寧だが、白っぽいベージュの本木目パネルなど、ユーザーによって好みが分かれる。
前席は快適だが、後席の居住性は平均的だ。ボディが大柄でホイールベース(前輪と後輪の間隔)も2865mmと長いが、その割に足元のゆったり感が乏しい。空間効率はあまり高くない。
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