開発責任者一新で中身はホンダスピリット注入!?
「進化していくことがNSXの使命であり宿命」
そう語るのは、この改良モデルから開発責任者を務める水上聡氏。同氏は2014年からホンダのダイナミック性能統括責任者を務め、2005年モデルのインテグラタイプR(DC5後期型)にも携わった人物。いわばホンダ車の操安性能を司る人物だ。
先にあげた3つの改良ポイントのうち、「ドライバーとクルマの一体感向上」では、改良モデルながらわざわざタイヤを新開発するという気合いの入りっぷり。従来型のコンチスポーツコンタクト5Pに替えて、コンチスポーツコンタクト6を装着。量産タイヤの銘柄名こそ付いているものの、NSX用に開発された専用スペックだという。
また、2つ目のサスペンション剛性については、フロントスタビライザーで26%、リアスタビライザーで19%、リアコントロールアームブッシュで21%、リアベアリングハブで6%の剛性アップを実現。
3つ目の電子制御の最適化も、SH-AWDを筆頭にダンパーシステム、VSA(横滑り防止装置)、電動パワステに至るまで「細かに制御パラメーターを見直した」と水上氏。
もともとNSXはアメリカで生産し、アメリカ人が開発責任者を務めていたモデル。「本来であればタイヤやサスペンションまで変えずに、セッティングを変えれば(改良としては)早いはずなんです」という水上氏のコメントからも、根本から「走り」を煮詰め直した“本気ぶり”がよくわかる。
いやはや、一見ちょっとした小変更かと思いきや、改良版NSXは、かなり「変わって」いた。その変化が、果たして“進化”に繋がっているのか? その答えは、改めて試乗したうえでレポートしたい。
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ちなみに、改良モデルのお値段は従来型と全く同じ2370万円。購入申し込みは既に開始されたが、なんと発売は2019年5月。納期の見通しも約半年~1年と、このホンダ流焦らし作戦(?)には正直ちょっと「う~ん」。中身が期待できるだけに、この点だけはちょっと残念。首を長くして発売を待つしかなさそうだ。
◆ホンダ NSX【改良モデル】 主要諸元/全長×全幅×全高:4490×1940×1215mm、駆動方式:4WD(SH-AWD)、パワーユニット:3.5L V6ターボ+モーター(システム出力:581ps/65.9kgm)、価格:2370万円
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