■「エンゲルベルク」は三菱得意のリゾート地名
三菱自動車は1月29日、まだ1カ月以上先のモーターショー出品車に関するプレスリリースを発表した(やや珍しい)。
リリースによると、三菱は2019年3月5日(火)~3月17日(日)に開催される第89回ジュネーブ国際モーターショー(スイス)にて、コンセプトカー『MITSUBISHI ENGELBERG TOURER(ミツビシ・エンゲルベルク・ツアラー)』を世界初披露するとのこと。
このリリース内ではコンセプトカーの仕様はいっさい公表されず、ただメカニズムと車両コンセプトに関して、「独自かつ先進の電動化技術によって SUV としての魅力をいっそう高めた新世代のクロスオーバーSUVです。」と明かされている。
なお「エンゲルベルク」とはスイス中央部にある山間部の村の名前で、壮大なパノラマの景色を楽しめるスキーリゾート地だそう。リゾート地を車名に使うのは三菱の得意技で、デリカD:5の特別仕様車として有名な「シャモニー」はフランスのリゾート地名で、「ジャスパー」はカナダの国立公園の名前。
■この1年半で開発が前に進んでいるという証拠
さてではこの、写真(CG)が一枚公開されただけのコンセプトカー、そのシルエットから中身を想像すると、やはり2017年秋の東京モーターショーに出品された「三菱e-EVOLUTION CONCEPT」の進化系と考えるのがもっとも自然だろう。
e-EVOLUTION CONCEPTはフロントに1機のモーターと、リヤに新開発の「デュアルモーターAYC」で構成するトリプルモーター方式の4WDシステムを持つ。
これに三菱自慢の車両運動統合制御システムS-AWCを適用し、また、ブレーキキャリパーも電動化させることで、四輪の駆動力・制動力を高応答・高精度で制御。異次元の旋回性能とトラクション性能を持つ…とされたコンセプトカー。
挑戦的なデザインはともかく、駆動方式を含む開発コンセプトは「これからの三菱がめざす新型車」を示す指針となる内容だった。
今回ジュネーブショーに登場する「ENGELBERG TOURER」がこの「e-EVOLUTION CONCEPT」の進化系だとすれば、三菱社内で「本命」として開発が続けられている証左であり、たとえば今年10月に開催される東京モーターショーに、さらに進化した(つまり市販型に近づいた)クロスオーバーSUVが姿を現す可能性が高まるということになる。
本記事冒頭で述べたように、ジュネーブショーは3月5日から。開幕が近づけばさら具体的な情報が公開されるだろう。
まずはそれを、楽しみに待ちたい。
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