2023年11月、人気の軽スーパーハイトワゴン、スズキ スペーシアの新型が発表された。6年ぶりのフルモデルチェンジで3代目へと進化したスペーシア、「コンテナ」がデザインのモチーフとなっているという新型の魅力をじっくりと拝見しよう!!
※本稿は2023年11月のものです
文/ベストカー編集部、写真/奥隅圭之
初出:『ベストカー』2023年12月10日号
■新型スペーシアのデザインはコンテナをモチーフに!!
スズキのスーパーハイト軽ワゴンといえばスペーシア。初代がデビューしたのが2013年3月、先代型となる2代目にフルモデルチェンジしたのが2017年12月なので、今回、6年ぶりのフルモデルチェンジで3代目へと進化した。
基本プラットフォームは先代型をベースにブラッシュアップすることで、操縦安定性を引き上げ、乗り心地も大幅に向上したという。
標準タイプのほか、「カスタム」を設定するのは従来どおり。標準タイプはNAのみの設定だが、カスタムにはNAのほかターボエンジン搭載モデルも用意される。
NA、ターボともに3.1ps/5.1kgmのモーターを組み合わせたマイルドハイブリッド。NAのFFはWLTCモード=23.9km/Lと、従来型から大きく燃費を引き上げた。
「デザインモチーフはコンテナです。先代型はスーツケースをイメージとして、いろんなものを詰め込んで移動できるクルマを表現しましたが、新型ではさらにユーティリティ性を表現するため、ズバリ、コンテナをイメージしました。
サイドパネルには前後方向のリブ状の凹凸を入れていますが、これはコンテナのイメージです」と、デザインを担当した山本雄高氏は説明してくれた。
車体サイズの“縛り”のある軽自動車で、広さ感を表現するデザインは苦労する点が多かったという。
全長3395mm、全幅1475mmは先代型同様、軽自動車枠いっぱい。全高1785mmも先代型を踏襲した。必要十分な室内スペースを得られているので、これ以上の全高アップは不要だという判断だ。
「最も重視したのは後席の快適性と使い勝手のよさです」と、3代目スペーシアの開発を率いたチーフエンジニア(CE)の鈴木猛介氏は言う。
上級グレードでは両側スライドドアが電動式となる。後席乗降時に手でつかむグリップは天地長を拡大してよりつかみやすくした。
後席のロングスライドはもちろんだが、座面前後長や背もたれ高を最適化し、座り心地を改善しているのも大きなポイントだ。
■選択と集中による改良
後席座面前端を引き出すことでオットマンとなるマルチユースフラップが新型スペーシアの注目ポイントだが、実際に座って使ってみると、これが思った以上に快適だった。
足を投げ出してリラックスするような場面で伸ばした足がラクチンで、SA/PAでひと休みする時なんか、後席でこのオットマンを引き出せばゆっくり休息できそうだ。
前席背もたれに装着される後席用テーブルは、ユーザーの声を聞いて細部をブラッシュアップ。テーブルのカップホルダーは、角形の野菜ジュースなどを安定して置けるような形状に対応。
また、小さい子どもの持ち手つきカップを収められるような切り欠きを付けたことで、さまざまな形状のボトルやカップに対応する。
「販価を大きく引き上げることはできないので、開発コストを“選択と集中”。変えなければならないところは多少コストがかかっても思い切って一新。いっぽう、変える必要のない部分はキャリーオーバーして余計なコストをかけない。その見極めが重要だった」と鈴木CE。
例えばAピラーを細くして右左折時のドライバーの死角を最小限にするなどは、安全性のためにコストをかけてもしっかりと変えた部分。強度を維持するため、より高強度のハイテン鋼を惜しげなく使用した。
また、運転支援機能はレーダー波とカメラによるデュアルセンサーサポートIIに進化。歩行者や自転車検知に加え、自動二輪車検知にも対応。交差点での右左折時の検知にも対応するなどレベルアップ。運転者にも優しい進化を遂げている。




























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