オデッセイが480万円で2年ぶり復活!! 中国生産で本当に売れるの!? ホンダはプレミアムミニバンをどう闘うのか

オデッセイが480万円で2年ぶり復活!! 中国生産で本当に売れるの!? ホンダはプレミアムミニバンをどう闘うのか

 2021年12月24日、狭山工場の閉鎖を機に国内での生産を終了したオデッセイ。その後は在庫車の販売が継続されていたが、2022年9月をもって完全に国内市場から姿を消していた。そのオデッセイが2023年12月7日、日本に帰ってきた!!生産終了から2年、販売終了時点から1年3カ月の時を経て、新たに日本市場へと復活した新オデッセイとはどんなクルマに進化したのか? 徹底チェックしよう!!

文/梅木智晴(ベストカー編集委員)、写真/平野学

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2列目シートの快適性を引き上げた「新」オデッセイは上級グレードに絞ったモデル展開でプレミアム性をアピール

日本市場に復活したオデッセイ。フロントグリルは従来型からデザイン変更されて精悍な印象となった。全長4860mm、全幅1820mm、全高1695mm
日本市場に復活したオデッセイ。フロントグリルは従来型からデザイン変更されて精悍な印象となった。全長4860mm、全幅1820mm、全高1695mm

 日本での再販に向けて「新」オデッセイで特に手を入れたのが2列目シートの快適性だ。

 シート形状の基本に変更はないものの、リクライニングとオットマンは座面側面のスイッチで操作できる電動としたことで、リラックスした着座姿勢のまま微妙な角度に調整可能。

 また、アブソルートEX及び最上級のアブソルートEXブラックエディションでは本革シートを標準設定とした。

 本革シートはゆったりとした表皮の張りで、座ると身体がスッと包み込まれるようなホールド感で心地いい。

 大きくリクライニングさせた時には背もたれ上部が中折れして立ち上がる機構があるため、首や上半身に負荷がかからず快適な姿勢でリラックスできる。

 これは従来型から採用され、評判がよかったシート構造。シートヒーターが標準装着となったのも嬉しい。

セカンドシートの快適性がアップしたのが「新」オデッセイの大きなポイント。リクライニングとオットマンは電動となり、シートヒーターが標準装着となる
セカンドシートの快適性がアップしたのが「新」オデッセイの大きなポイント。リクライニングとオットマンは電動となり、シートヒーターが標準装着となる

 シートアレンジは従来型から変更はないものの、2列目シートは横にスライドできる機構で、内側に設定すると最大700㎜のロングスライドとなる。

 3列目を収納してゆったり過ごすのならこのポジションがいい。外側ポジション時にはスライド量は制限されるものの隣席との空間が広がるため、カップホルダー付きの大型テーブルが引き出せる。

 これは「新」オデッセイで改良された新装備。2列目シートの脚部にUSBポートも新設された。

 従来型には設定のあった2列目がベンチシートとなる8人乗りは設定されず、キャプテンシートの7人乗りのみの設定となるのもポイントだ。

2列目シートは最大700mmのロングスライド。3列目の居住性を確保した位置でも2列目の足元は広々だ。2列目のスライドは3列目から調整可能
2列目シートは最大700mmのロングスライド。3列目の居住性を確保した位置でも2列目の足元は広々だ。2列目のスライドは3列目から調整可能

アブソルート:480万400円

アブソルートEX:500万600円

アブソルートEXブラックエディション:516万4500円

 パワートレーンは2リッターエンジンを搭載するe:HEVのみで従来型では設定されていた2.4リッターガソリンエンジンは搭載されない。

 また、4WDはなくFFのみだ。装備を充実させるとともに、上級仕様にグレード展開を絞ったことで、従来型に対し価格レンジは40万~50万円引き上がっている。

「新」オデッセイは中国工場で生産する輸入車。日本上陸後にPDIセンターで点検整備して配車される

 一度国内での販売を終了したオデッセイがなぜ今、復活をするのか? 販売店からの復活へのラブコールも大きかったという。

「2年前、オデッセイの国内販売を終了する時点で、何とか継続できないかを検討していました」とオデッセイを担当する商品ブランド部の永坂徹氏は苦渋の決断だったことを吐露する。

ブラックエディションではリアコンビランプのカバーがスモークとなる。リアデザインには大きな変更点はない
ブラックエディションではリアコンビランプのカバーがスモークとなる。リアデザインには大きな変更点はない

 狭山工場の閉鎖は避けられない決定事項で、ステップワゴンは寄居工場に移管。オデッセイを作れる工場が国内にはなく、一時的に国内販売を終了するしかなかったということだ。

 オデッセイは日本での生産を終了したのちも中国の工場で引き続き生産されている。年間4万5000台規模の販売台数だという。

 中国工場の生産調整が整ったことで、今回改めて日本向けオデッセイを開発し、中国で生産し導入することができた、というのがオデッセイ復活の経緯だ。

「新」オデッセイはすべて中国製で、日本へは輸入されることとなる。上陸した新車は豊橋にあるPDIセンターですべて点検整備してから各販売店へと配車する。

今後日本国内で販売されるオデッセイはすべて中国工場製。日本に上陸後、専用のPDIセンターで点検、整備ののち全国の販売店に配車されることになる
今後日本国内で販売されるオデッセイはすべて中国工場製。日本に上陸後、専用のPDIセンターで点検、整備ののち全国の販売店に配車されることになる

従来型とは一線を画す精悍なフロントマスクは日本仕様専用に新設計

 フロントマスクは21年12月まで国内生産されていたオデッセイとは異なるグリルデザインを採用。

 これは中国向けとも異なるデザインで、今回導入される日本向けオデッセイ専用デザインなのだ。

 最上級のブラックエディションではグリルはブラックアウトされ、ヘッドライトケース内のリフレクター上面がブラックメッキになるなど、精悍なフロントマスクを作り上げているのも従来型との違い。

 ホンダセンシングはワイドビューカメラ&ソナーセンサーによる最新バージョンにアップデートされて、夜間歩行者や右折時対向車検知にも対応する。

インパネデザインは従来型から大きな変更はないが、ホンダセンシングは最新バージョンにアップデートされ、夜間の歩行者検知などレベルアップ
インパネデザインは従来型から大きな変更はないが、ホンダセンシングは最新バージョンにアップデートされ、夜間の歩行者検知などレベルアップ

 従来からオデッセイはアルファード&ヴェルファイアとは異なる全高の低さがもたらすダイナミック性能のよさが魅力だったが、「新」オデッセイはさらに2列目シートも豪華になって、新たな魅力を加えて勝負に挑む!!

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