8月25日に発表されてから早2カ月の新型NSX。その価格2370万円、国内年間生産台数100台という数字も世間の注目を集めている。
そんな新型NSXについて、初代NSXを登場直後に購入したという三本和彦御代はどうにも納得がいかない様子。
舌鋒鋭く、新型NSXを一刀両断にした。
ベストカー2016年10月26日号「三本和彦の金口木舌」
新型は「異次元」のクルマに
ついに新型NSXが発表されました。初代NSXのオーナーだったボクとしては、場合によっちゃ買おうかなんて思ったりもしますが、ちょっと異次元のクルマになってしまいましたね。
初代NSXが登場した時の状況は、そりゃ凄いもんでしたよ。世界初のオールアルミボディと聞いて日本中のクルマが熱狂したものです。思わず私も800万円の大枚をはたいて買っちまいました。
新型NSXの価格を聞いてビックリ。2370万円なので、初代NSXより約3倍も高い。
いやぁ、参ったね、高過ぎだよ。ボクの予算をはるかに超えています。ぜんぜん買えないじゃない。せめて1500万円以下に抑えてほしかったように思います。
初代NSXは3年先まで予約が入ったほどの人気でしたが、新型NSXも年生産キャパが100台、予約受注はすでに2年先までオーダーが入っているほどの人気ぶりと聞いています。
さすがに当時の熱狂ぶりと比べると大人しいものです。まあスタイルが出てから、だいぶ経っていて、市販型になっても代わり映えしない、見飽きたというのが本音でしょうね。
ボクはまだ新型NSXに乗っていませんが、ベストカーを見るかぎり、ワクワク感、ドキドキ感に乏しいという評価が多いですね。確かにシステム出力581ps/65.9kgmを発生する3.5L、V6ツインターボ+3モーターによる走りの凄さは誰もが認めるところでしょう。
でもちょっとホンダのクルマ作りは的が外れてはいないかということです。スーパースポーツと呼ばれるクルマは、見てうっとり、乗って感激じゃないかと思うんです。みなさん、新型NSXをどう感じましたか?
三本和彦
1931年生まれ、東京都出身。東京写真大学(現在の東京工芸大学)写真技術科を卒業後、1956年より東京新聞に入社。その後フリーのモータージャーナリストに転身し、ベストカーを始めとするさまざまな自動車雑誌に寄稿、TV番組の司会なども務めた。現在はベストカーで月に1度「金口木舌」の連載を執筆している。
★【金口木舌(きんこうぼくぜつ)】とは…古代中国で官吏が法律などを民衆に示す際に木鐸(ぼくたく。口が金属、舌が木製の鈴)を鳴らしたことから、優れた言論で社会の教えを導く人の例えという意味
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