2019年5月のデビューから半年が経過した「マツダ3」。アクセラから改名した同車だが、2019年12月中旬にSPCCI(火花点火制御圧縮着火)方式を採用した新エンジン「SKYACTIV-X」をついに投入する。
マツダのリリースによれば、SKYACTIV-Xを搭載したマツダ3は、12月5日に全国で発売される。
そうなると、マツダ3のエンジンラインナップはガソリン、クリーンディーゼル、SKYACTIV-Xの3種類となる。さらに2WDと4WDを選べるとあれば、購入を考えている人にはどれがお薦めのグレードなのか悩ましい問題となる。
今回は、注目のSKYACTIV-Xも購入対象として含めた場合、どのグレードが最もお得にマツダ3の走りを楽しめるのか、多角的に解説する。
※11月25日 12時にSKYACTIV-Xの情報を追加しました。
文/渡辺陽一郎
写真/編集部、MAZDA
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■種類が多いエンジンラインナップ、まず脱落するのは?
マツダ3のバリエーションは多岐にわたる。ボディはファストバック(5ドアハッチバック)とセダンの2種類を用意した。エンジンは、ガソリンが直列4気筒の1.5L(ファストバックのみ)と2L、1.8Lクリーンディーゼルターボ、さらに2LスカイアクティブXも選べる。
1.5Lガソリンとクリーンディーゼルターボの発売は2019年5月だが、SKYACTIV-Xは、開発の最終段階で使用燃料をレギュラーガソリンからプレミアムに変更して半年以上遅れた。それでもようやく動力性能と燃費数値が明らかにされ、普通にグレードを選べるようになる。
ファストバックとセダンは価格が等しい。従って純粋に使い方や好みに応じて選べばいいが、受注状況を見ると、ファストバックが80%でセダンは20%だ。従来型となるアクセラの時代から、イメージリーダーはファストバックで、1.5Lエンジンを選べることこともあって比率を高めた。その半面、ファストバックの後方視界はセダンに比べて悪いから注意したい。
エンジンに基づく価格の違いもチェックする。1.5Lは装備がシンプルだから比べにくいが、2Lの20Sプロアクティブは、1.5Lの15Sに比べて29万4352円高い。このうちの約22万円は、前側方接近車両検知機能、交通標識認識システム、アダプティブLEDヘッドライト、エアコンのフルオート機能、車載通信機、アドバンストキーレスエントリーといった装備の違いで埋まる。そうなると1.5Lと2Lエンジンの正味価格差は7万円前後だ。
一般的に気筒数や燃料の噴射方法などが同じ場合、排気量が違ってもコストに大差は付かない。100ccの排気量相場は約2万円だ。そうなると500ccなら10万円だから、実質差額が7万円なら2Lが少し割安といえるだろう。
またマツダ3はボディが比較的重く、1.5Lのファストバックでも車両重量は1340kg(6速AT)に達する。1.5Lは実用回転域の駆動力を重視した扱いやすいエンジンだが、マツダ3のスポーティな性格を考えるとパワー不足だ。
前側方接近車両検知機能や交通標識認識システムは、1.5Lエンジン搭載車ではオプションでも装着できない。つまり1.5Lは動力性能が不満で安全装備の水準も下がるため、エンジンは2Lガソリン、ディーゼル、スカイアクティブXから選びたい。
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