5時間半で完売!? シトロエンとプジョーのミニバンの価値と脅威

5時間半で完売!? シトロエンとプジョーのミニバンの価値と脅威

 シトロエンの『ベルランゴ』とプジョーの『リフター』。いずれも2列5人乗り/3列7人乗り(本国仕様)のミニバンに属する兄弟車で、本国ではロングセラーモデルとして3代目が2018年に登場、現在も好評発売中だ。

 しかし、日本ではまだ導入されていなかったこともあり、国内でもまだ知らない人も多いはず。

 そんなベルランゴとリフターだが輸入販売元のプジョー・シトロエン・ジャポンが、まず2019年10月18日に特別限定車としてリフターの販売を開始。

 一方のベルランゴもその翌日の19日にオンラインで特別仕様車『デビューエディション』の予約注文を開始したところ……、午前9時の開始からたった5時間半で予約台数に達してしまったため完売! 

 そして第二弾となる11月30日に開始した予約販売もほぼ同じ時間で完売と、引く手あまたの人気モデルとなっているのだ!

 なぜ、これほど大人気となったのか? 日本のミニバンと何が違うのか? シトロエンベルランド&プジョーのリフターと、ライバルのルノーカングー、日産NV200バネットと徹底比較し、人気の秘密に迫る!

文/野里卓也
写真/ベストカーWEB編集部

【画像ギャラリー】シトロエン&プジョーの刺客MPV、ベルランゴ、リフターの詳細写真


以前から問い合わせが数多くあったため、特別限定車として販売

シトロエンベルランゴデビューエディションの価格は325万円。本国では3列7人乗りもあるが今回導入したのは2列5乗り仕様<br>
シトロエンベルランゴデビューエディションの価格は325万円。本国では3列7人乗りもあるが今回導入したのは2列5乗り仕様
ベルランゴの兄弟車、プジョーリフターデビューエディションの価格は336万円
ベルランゴの兄弟車、プジョーリフターデビューエディションの価格は336万円

 なぜ、日本でもこれほど人気を呼んだのか、プジョー・シトロエン・ジャポンの広報部によると、

 「本国でベルランゴが発売されていたのを知っている多くのユーザーから『日本にも導入しないのか』と、相当数の問い合わせをいただいていました。

 今年に入り特別限定車として導入できないかと本国にかけあったところ、ようやく発売することができました。

 日本ではルノーのカングーがこの分野(インポートモデルでサイズ感も価格も含め)一人勝ちになっていますが、それに挑みたいですね」。

 ただし、型式認定は受けておらず並行輸入扱いで導入したため、台数も数に限りがあるという。具体的な台数については「お答えしてない」そう。

ベルランゴのコクピット。機能的かつモダンなデザイン
ベルランゴのコクピット。機能的かつモダンなデザイン
本国仕様では3列7人乗り仕様もあるが今回日本導入されたのは独立3座の2列5人乗りとなる
本国仕様では3列7人乗り仕様もあるが今回日本導入されたのは独立3座の2列5人乗りとなる

ベルランゴ&リフターをカングーとNV200バネットと比較

ボディサイズは全長4403×全幅1848×全高1844mm。搭載されるエンジンは1.5L、直4ディーゼルターボ(130ps/30.6kgm)で、トランスミッションは8速AT
ボディサイズは全長4403×全幅1848×全高1844mm。搭載されるエンジンは1.5L、直4ディーゼルターボ(130ps/30.6kgm)で、トランスミッションは8速AT
ベルランゴの兄弟車、プジョーリフターもベルランゴ同様、両側スライドドアを採用。ボディサイズは全長4405×全幅1850×全高1890mm。リフターもベルランゴと同じ1.5L、直4ディーゼルターボを搭載
ベルランゴの兄弟車、プジョーリフターもベルランゴ同様、両側スライドドアを採用。ボディサイズは全長4405×全幅1850×全高1890mm。リフターもベルランゴと同じ1.5L、直4ディーゼルターボを搭載
根強い人気を誇るルノーカングー。ボディサイズは全長4280×全幅1830×全高1810×全高1810mm。搭載されるエンジンは115ps/19.4kgmを発生する1.2L、直4ターボ
根強い人気を誇るルノーカングー。ボディサイズは全長4280×全幅1830×全高1810×全高1810mm。搭載されるエンジンは115ps/19.4kgmを発生する1.2L、直4ターボ
日産NV200バネットのボディサイズは全長4430×全幅1695×全高1850mm。搭載されるエンジンは109ps/15.3kgmの1.6L、直4
日産NV200バネットのボディサイズは全長4430×全幅1695×全高1850mm。搭載されるエンジンは109ps/15.3kgmの1.6L、直4

 そんなに人気のモデルとは一体どんなクルマなのか? まずはベルランゴとリフターのボディサイズを見てみよう。

 比較車両としてルノーの売れ筋モデル「カングー」と、国産では日産のNV200バネットを取り上げてみた。

 最大のライバルたるルノーカングーは1BOXタイプの形ではなく、 商用バンの箱(荷室部分)をくっつけたようなフルゴネットデザイン。

 NV200バネットは商用バンでワゴンも用意され、5人乗り、7人乗りをラインアップ。ボディサイドのウインドウ形状などはベルランゴ&リフターによく似ている。

 ベルランゴのボディサイズは全長4403×全幅1848×全高1844mm、リフターは全長4405×全幅1850×全高1890mm。多少の違いはあるものの、ベルランゴとリフターはほぼ同じ大きさだ。

 カングーは全長4280×全幅1830×全高1810mmと、ベルランゴより全長が123mm短く、全幅が20mm狭く、全高は80mm低い。

 NVバネットは全長4430mmと4車種最も長いが、全幅は1695mmと5ナンバーサイズにとどまっているのが特徴だ。

ベルランゴとリフター、NV200バネットは1BOXタイプ、カングーはワゴンのラゲッジ部分を大きくしたようなデザイン

ベルランゴとリフターの車両価格11万円の差は装備にあり

■車両価格を比較
●シトロエンベルランゴ  325万円(デビューエディション)
●プジョーリフター    336万円(デビューエディション)
●ルノーカングー     264万7000円(ゼンEDC)
●日産NV200バネット   226万4900円(プレミアムGX-2R)

 ベルランゴとリフターの価格差は11万円。NV200バネットに比べ100万円高、カングーよりも50万円以上高い。

 気になるベルランゴとリフターとの価格差は装備にある。アドバンスドグリップコントロールとデザイン性の高いセンターコンソールはリフターのみ装備されている。

 この違いについて、プジョージャポンは、
「プレミアムブランドという位置づけもあり、先進装備を搭載したモデルを用意している。

 ルノーはエントリーモデルとも言うべき位置づけではあるが、国産車や他ライバルと比べても遜色のない装備を持っている」とコメント。

先進装備はカングー、NV200バネットに比べると充実している
先進装備はカングー、NV200バネットに比べると充実している

ベルランゴとリフターはおもてなし装備も充実

開放的なパノラミックガラスサンルーフを装備
開放的なパノラミックガラスサンルーフを装備
使い勝手のいいガラスハッチが装備される
使い勝手のいいガラスハッチが装備される
天井部分に収納できるスペースがあり非常に便利
天井部分に収納できるスペースがあり非常に便利

 さて、ベルランゴ&リフターともに装備でユニークなのは大開口のパノラミックガラスルーフとリアゲートにガラスハッチを採用したこと。

 後席までガラスエリアが広がっているので、乗車するみんなが開放感にひたれることは間違いなし! 

 ガラスハッチはリアゲートを開かなくても中の荷物が取り出せるという、使ったことが分かる人にはもの凄く琴線に触れる便利な装備! 

 それと注目して欲しいのは収納スペースがふんだんにあること。いずれのモデルもルーフに小物や衣類などを収納できるスペースを確保。

 荷室のルーフには後席からもリアドア側の両方から開閉することができる収納スペースを装備。

 60Lもの大容量を確保しているというから普段の使い勝手に大いに役立つはず。もちろんフロントまわりにも収納スペースが随所に確保されている。

通常の5人乗り状態のラゲッジスペース
6:4分割可倒式リアシートを倒せば長尺物も積める

現在リフターの実車を展示中。2020年夏には本格的に日本導入!

プジョーリフターの実車を見てその魅力を体感しよう<br>
プジョーリフターの実車を見てその魅力を体感しよう

 さて、なぜ、これほど人気が出たのか? 珍しい1BOXタイプの輸入車MPVであること、そして先進装備が付いているのにもかかわらず、輸入車としてはお手頃な300万円ちょっとという価格であったこと、そしてディーゼルエンジンと最新のAT、そして工夫いっぱいの収納スペース。

 国産ミニバンは真新しいクルマもあまり出ず、飽和状態にあったところへ、個性派MPVが出てきた……、そんなストーリーではないか。

 実車の展示についてはリフターのみ2019年12月7日から全国のプジョーディーラーでキャラバンがスタートするというので、購入を検討している人は直接店舗へ訪れるのも良いだろう。

 また、リフターの予約販売も現在オンラインで受け付けているそうなので、完売となる前に手に入れたい人はお早めに。

 なお、予約完売となったベルランゴについては第1回分の納車が2020年初旬、2回目の分が同年春頃を予定しているという。

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

マツダ6、実は水面下で開発が続いていた!? 注目新車情報、グッズが当たるアンケートも展開「ベストカー4月26日号」

マツダ6、実は水面下で開発が続いていた!? 注目新車情報、グッズが当たるアンケートも展開「ベストカー4月26日号」

終売が報じられたマツダ6はこのまま終わるのか? 否!! 次期型は和製BMW3シリーズといえるような魅力度を増して帰ってくる!? 注目情報マシマシなベストカー4月26日号、発売中!