マツダ ロードスター歴代の軌跡 1989年に世界に誇る名車中の名車誕生!!

 1989年の初代登場以来、今年で30周年を迎えたマツダロードスター。各地でイベントが開かれているが、企画担当としても素通りはできない。

 初めて初代NAロードスターに乗った時のことは忘れられない。オープンで爽快なのはもちろんとして、私レベルのドライバーでも、どうとでもコントロールできると思わせるクルマの動きに魅せられたのだ。

 その感触は以降のNB、NC、NDと変わらない。「人馬一体」とはよく言ったもので、代ごとに大きくなったりパワーが上がったり下がったりしたが、基本的な乗り味は一緒。30年間もブレることなく、よく続けてきたものだと感心する。

 そう、今年はマツダロードスター30周年。この30年間でマツダは経営環境も経営戦略も大きく変化したが、ロードスターだけは変わることなくいつもそこにいた。ファンの年代によっては、各世代のロードスターが親友から弟、子ども、孫のように移り変わって見えているかもしれない。そんなクルマはめったにない。

 ロードスターは約9割が海外に輸出されるクルマだ。つまり、世界中で愛されているということ。これもまた凄い事実だとつくづく思う。ロードスターは日本の誇りだ。30周年おめでとう!

【画像ギャラリー】祝・30周年!!! 歴代ロードスターたちの姿をギャラリーでチェック!!!

※本稿は2019年11月のものです
文:ベストカー編集部/モデル解説:永田恵一/写真:MAZDA、ベストカー編集部/撮影:奥隅圭之
初出:『ベストカー』 2019年12月10日号


■初代NA(1989~1997年)

 初代ロードスターは「絶滅してしまったライトウェイトオープンスポーツカーを平成の技術で復活させる」というコンセプトで登場した。

 このコンセプト、クルマ好きなら誰もが考えそうなシンプルなものながら衝突安全などの法規の強化に加え、操る楽しさの実現のため駆動方式はコントロール幅の広いFRとして、サスペンションは四輪ダブルウィッシュボーン、軽量化のためのアルミボンネットなどコストがかかるものばかりを採用。

 その挙句価格は皆が買えるよう200万円程度で売るというのだから、当初は正式なプロジェクトと認められずコソコソと開発が行われていたなど、困難の連続だったという。

 その甲斐あって初代ロードスターは走る、イジる、仲間と交流するなど幅広い楽しみ方を人々に与え、世界的な人気車となった。

 初代ロードスターは排気量を1.6Lから1.8Lに上げるなど2回のマイナーチェンジに加え特別仕様車も毎年のように設定しながら、約8年間という長期に渡って販売された。

【初期型ベースグレード】全長3970×全幅1675×全高1235mm、ホイールベース2265mm、車重940kg、1.6L DOHC、120ps/14.0kgm、前ダブルウィッシュボーン/後ダブルウィッシュボーン、185/60R14、170万円(5MT)

ユーノス店(現在は消滅)専売モデルで「ユーノスロードスター」の車名で登場。今見ると、とてもシンプルな内外装に好感が持てる。歴代唯一のリトラクタブルヘッドライトを採用していた

■2代目NB(1998~2005年)

 2代目ロードスターは基本的なメカニズムは初代を踏襲するなど、キープコンセプトかつ初代のネガ潰しやロードスターを存続させるための法規対応を行うという手法でフルモデルチェンジされた。

 スポーツカーは実用品でないため必ずしも新しいものがいいというジャンルではないだけに、このフルモデルチェンジは正しいものだった。

 そのなかでエクステリアはリトラクタブルから固定式へのヘッドライトの変更、機能面では1.6Lの復活、1.8LのMTを6速としたこと、ボディ剛性の向上などを施し、走りの質をより高次元なものとした。

 また幌のバックスクリーンをビニールから熱線入りのガラスにするなどの細かい改良も多数行われており、このあたりは初代ロードスターにも流用して使えるものが多数あったのも嬉しいところだ。

 2代目ロードスターはビッグマイナーチェンジに加え、7年間のモデルサイクル後半にはクーペや1.8Lターボを設定。また2人乗り小型オープンスポーツカーの最多生産車にもなった。

【初期型ベースグレード】全長3955×全幅1680×全高1235mm、ホイールベース2265mm、車重1010kg、1.6L DOHC、125ps/14.5kgm、前ダブルウィッシュボーン/後ダブルウィッシュボーン、185/60R14、177万円(5MT)

初代のキープコンセプトで登場した2代目。内外装は「正常進化」という言葉がぴったりの変化だが、今回の撮影車はボディ剛性も高く、中身は初代から大きく進化していたことが確認できた

■3代目NC(2005~2015年)

 3代目ロードスターはマツダの社内的な事情もあり、2003年登場のRX-8とプラットホームを共用する部分があったほか、エンジンも2Lになるなど速さを増し、若干車格が上がった感もあるモデルとなった。

 そのなかでもマツダの開発陣はロードスターらしい運転する楽しさをキープすべく、最軽量グレードであれば車重は2代目ロードスターとほとんど変わらないレベルに抑えた点には大きな拍手を送りたいところだ。

 また3代目では登場翌年にRHTという電動メタルトップを追加したことも覚えておきたい。

 2008年のビッグマイナーチェンジでフロントマスクの変更だけでなくスペックは変わらないもののレブリミットの向上やロールセンターの変更に代表されるサスペンションの大改良など毎年のように改良や20周年、25周年記念車といった特別仕様車が設定され、ファンに話題を与え続けた。

 また3代目ロードスターは歴代ロードスターで最長となる10年間生産されたモデルでもある。

【初期型ベースグレード】全長3995×全幅1720×全高1245mm、ホイールベース2330mm、車重1090kg、2L DOHC、170ps/19.3kgm、前ダブルウィッシュボーン/後マルチリンク、205/50R16、220万円(5MT)※ベースグレード以外のMTは6速

サイズ、排気量ともに拡大した3代目。それゆえ4世代のなかでも人気は低めだが、「評価が低すぎる」という見方も。今となっては充分コンパクトだし、トルクフルなエンジンは今も魅力的だ

■4代目ND(2015年~)

 4代目となる現行ロードスターのコンセプトは、3代目で初代と2代目から失った部分があったのもあり、ズバリ「原点回帰」である。

 具体的にはアルミやハイテンションスチールの多用による徹底的な軽量化で最軽量グレードでは車重を初代並みの990kgに抑えたことや、ソフトトップのエンジンは1.5Lにダウンサイジングしたことが挙げられる。

 またライトウェイトオープンスポーツカーという需要のそう多くないモデルを継続するためという目的もあり、フィアット向けにエンジンなどを変えたモデルを124スパイダーとして供給していることも覚えておきたい。

 3代目で登場したRHTはRFと呼ばれる電動タルガトップに移行し、RFは2Lエンジンを積むなど全体的にややラグジュアリーなキャラクターを持つ。

 登場から5年目となった4代目ロードスターもRFの大改良や30周年記念車といった特別仕様車の設定など毎年のように手を加えており、今後の進歩も非常に楽しみだ。

【S】全長3915×全幅1735×全高1235mm、ホイールベース2310mm、車重990kg、1.5L DOHC、131ps/15.3kgm、前ダブルウィッシュボーン/後マルチリンク、195/50R16、249万4800円(6MT)※ソフトトップ車のスペック

原点回帰を謳って登場した現行型の4代目。しかしそれとは別に、歴代車を同時に見ると内外装の質感が大幅に向上していることがよくわかる。もはやプレミアムスポーツの領域である

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