埼玉県や東京都内陸部で10センチの積雪予報! 警報級の大雪になる恐れあり!!! クルマのスリップ事故に気をつけろ! 雪に慣れない東京人に向けた「雪道走行の基本」とは

埼玉県や東京都内陸部で10センチの積雪予報! 警報級の大雪になる恐れあり!!! クルマのスリップ事故に気をつけろ! 雪に慣れない東京人に向けた「雪道走行の基本」とは

 3月3日、関東地方では雪が降り、4日も夜から5日朝にかけては関東南部の平地でも積雪になる所がありそうだ。予想より気温が下がった場合は警報級の大雪になる恐れもある。国交省と気象庁などは事故を防ぐため、4日夕方以降、東名高速や首都高速、横浜横須賀道路などの一部区間で予防的通行止めを行う可能性が高まっている。そこでノーマルタイヤで走ったらどうなるのか、雪道走行や雪が降った後のアイスバーン走行の基本を解説する。

文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、首都高速道路

雪に慣れていない東京に大雪が降ったらえらいことになる!

写真はサマータイヤを履いたクルマを警察官が押している様子2018年1月22日、都心部で4年ぶりに20cmを超える大雪が降ったが、その時にサマータイヤを履いたまま走り、坂道で道路を塞ぐクルマが目立った
写真はサマータイヤを履いたクルマを警察官が押している様子2018年1月22日、都心部で4年ぶりに20cmを超える大雪が降ったが、その時にサマータイヤを履いたまま走り、坂道で道路を塞ぐクルマが目立った

  3日久しぶりに都心でも雪が降った。積もらなかったものの、久しぶりに雪が降った。でもどうせ「たいしたことない」、「どうせそんな大雪じゃないからノーマルタイヤで走っても大丈夫」と思っている方もいるんじゃなかろうか。

 この時期になると思い出すのが、20cmを超える大雪が降った2018年1月22日。首都高では立ち往生や事故を防ぐため、予防的に通行止めが行われた。

2024年2月、首都高速における、排雪作業と仕上げ作業。路肩の雪を人力で除雪しているので時間がかかった。資料/首都高速道路
2024年2月、首都高速における、排雪作業と仕上げ作業。路肩の雪を人力で除雪しているので時間がかかった。資料/首都高速道路

 2024年2月5日、首都圏でも雪の予報に対応して、高速道路や一部の一般道で予防的通行止めが行われた。ただ、この時は首都高では除雪に手間取り、予定していた7日朝までの除雪が間に合わず、すべての通行止めが解除されたのは同日16時半。結局、合計53時間も通行止めが続くことになった。

 2018年の大雪の時には、ノーマルタイヤで走行し、坂道で登れず、警察官がクルマの後ろを押していた光景に遭遇。1台だけではなく、違う場所でも数台見かけたことを思い出す。

東京23区内。大雪から4日目の朝だが、ビル陰になる路面はツルツルのアイスバーンに磨き上げられていた。スタッドレスタイヤでも慎重な運転が求められる路面である
東京23区内。大雪から4日目の朝だが、ビル陰になる路面はツルツルのアイスバーンに磨き上げられていた。スタッドレスタイヤでも慎重な運転が求められる路面である

 ここで注意喚起しておきたいのがアイスバーン。積雪当日よりも翌朝、2~3日後にも、まだ道路上に残っているアイスバーンが怖い。

 幹線道路や脇道でも走行車両が多い道路では雪が解けてサマータイヤでも走れるようになるのだが、ビルの陰などで日中ほとんど日が当たらない路面では、1日経っても2日経っても雪が溶けないばかりか、雪が溶けても夜間の冷え込みでまた凍り、アイスバーンができてしまうのだ。アイスバーンは雪道以上に滑るのということを頭に叩き込んでおこう。当然、急のつく運転は控えなければいけない。

 なかでも一番危険なのはブラックアイスバーン。ブラックアイスバーンは、一見するとただの濡れたアスファルト路面のように黒く見えるのだが、実は表面が凍りついている。ただの濡れた路面だから大丈夫、という油断が危ないのだ。ブラックアイスバーンの上を走った場合、滑ることを前提とした予測運転も必要になる。また風通しのよい橋の上や陸橋、トンネルの出入り口付近にアイスバーンが発生するので注意が必要だ。

 ここで、知識として知っておいてほしいのだが、夏タイヤを装着したままで雪道を運転すると『公安委員会厳守事項違反』に該当し、反則金6000円(普通車)の罰則があるのだ。

 詳しく挙げると道路交通法第七十一条(運転者の厳守事項)の六項にて、“……中略、道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項”とある。  

 よって、各都道府県の公安委員会による道路細則でスタッドレスタイヤの装着やタイヤチェーン等滑り止めの措置をしなければいけないことが定められている(※沖縄県は除く)。雪がそんなに積もらなかったから平気だと過信することなかれ! 外気温計をこまめにチェックして、プラス3度を下回るようなら「警戒モード」に頭を切り替えて走ろう。

 ここで、雪道なんかしばらく走っていない人が多いんじゃなかろうか。そんな人に向けて、雪道走行の基本中の基本を、改めて解説していこう。

 まず、雪が降っている朝、どうしてもクルマを使う場合には、スタッドレスタイヤなどスノータイヤや、タイヤチェーンを履かせてあることが必須。これは言うまでもないことだが、東京では積もりそうな雪が降っても、平気でサマータイヤのまま走っているクルマを多く見かけるので改めて注意喚起したい。

 雪道走行の基本として、挙げたいのは以下の項目。

1:ハンドルを急に切らない
2:急発進、急加速をしない
3:車間距離をしっかりとる
4:急ブレーキは禁物、ブレーキは慎重に踏む
5:エンジンブレーキを上手に使う
6:雪道の下り坂はスタッドレスタイヤ装着+4WDでも意外に止まらないので早めのブレーキ、ゆっくり走る
7:デフロスターを入れて車内を暖め、窓のくもり取りはエアコンをON

 基本は、急のつく運転をせず、そぉーと操作すること。しっかり止まれるように前のクルマと車間距離を多めにとることだ。下り坂ではDレンジからシフトダウンして、エンジンブレーキを使うことでマイルドに減速させて車体を安定させることができる。

 ただし、FF車の場合、エンジンブレーキを使うとリアタイヤが滑り出すことがあるので、Dレンジのままフットブレーキを丁寧に使うことで、下り坂をより安全に走ることができる。

スタッドレスタイヤと4WDだから大丈夫という過信は禁物

スタッドレスタイヤ装着の4WD車でも下り坂は要注意。止まれないこともある
スタッドレスタイヤ装着の4WD車でも下り坂は要注意。止まれないこともある

 最後にもう1つ、スタッドレスタイヤ+4WD車だから、多少スピードを出しても止まれるという過信は禁物だ。積雪地方に住む人に「下り坂はなめてかかると止まらないから早めのブレーキを」と注意を受けたことがある。

 実際に雪道が続く長い下り坂、4WDでスタッドレスタイヤ付きだから大丈夫と思いながら慎重に下っていったのだが、途中T字路(こちらは直進)があったので、普通にブレーキをかけたがなんと止まれず(ロックはしなかった)、まっすぐ直進し、雪壁にぶつかりそうになりヒヤリとしたことがあった。

 幸い左右からクルマは来ていなかったので衝突は避けられたが、早めのブレーキと止まれの位置から数m手前で止まれるようにしっかり減速しておくことが必要だったことを身に染みて感じた。

 積雪量によっても変わってくるが、運転しているクルマが雪道でどれくらいで止まれるのか、前もって確認しておくこといいだろう。

 4WDはトラクション性能に優れていても制動力はFFやFRと基本的に同じであることや車重が重いので、制動力ではFFより長くなってしまうことも多いので注意が必要だ。

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