「坂道が登れない」「雪だまりに突っ込んで出られない」など、雪道でのトラブルは付き物だ。この時、レッカーを呼ぶのもいいが、まずは自力で脱出するのが先決。その時に覚えておきたい、アレの使い方を紹介していく。
文:佐々木 亘/画像:Adobestock(トップ写真=Milos@Adobestock)
【画像ギャラリー】あきらめる前に試せることは一通りやってみよう!! (3枚)画像ギャラリー雪道からの脱出を安全装備が邪魔している
最近のクルマの安全装備の進歩はめざましい。高速道路をハンズフリー走行できたり、先行車や道路状況をクルマが判断して、ブレーキや操舵のアシストをしてくれる機能があったりして、事故を未然に防ぐ取り組みが進んでいる。
こうした安全装備のはしりは、現在当たり前に付いているアンチロックブレーキシステム(ABS)やトラクションコントロール(TCS・TRC等)といったものだ。
さらには、横滑り防止機能(VSC等)がABSやトラクションコントロールと統合制御され、現在多くの車両で機能を発揮し、車両の急激な挙動変化を抑制する安全装置として働いている。
ただ、ぬかるみやアイスバーン・積雪路など、滑りやすい路面での動き出しでは、これらの電子制御が邪魔する可能性がある。こういう時に知っておきたいのが、電子制御を止める方法だ。
【画像ギャラリー】あきらめる前に試せることは一通りやってみよう!! (3枚)画像ギャラリーあぁハマった…そんな時にはトラコンOFF
雪道でタイヤが空転してしまい、前にも後ろにも動かなくなってしまった時、あえてタイヤを強く空転させて脱出する方法があるのだが、トラクションコントロールが作動している状態のクルマでは、この脱出方法が使えない。
その時、JAFを呼ぶ前に手を伸ばしてほしいのが「TRC OFF」と書かれたスイッチだ。もしくは、クルマのイラストの下に波線が2本程度書かれているスイッチを探してほしい。これがトラクションコントロールのスイッチである。
雪道やぬかるんだ道でクルマが動けなくなったら、まずはこれらのスイッチを押し、トラクションコントロールを切ってほしい。スイッチを押すと、「TRC OFFしました」といった表示が、メーター内に現れるはずだ。
OFFを確認した上で、再びアクセルをゆっくり踏み足していき、タイヤを空転させながらもスタックから脱出できそうならこれでOK。
しかしこれでも脱出できない場合は、ブレーキを踏んだ状態でトラクションコントロールOFFスイッチを長押ししてほしい。
すると、メーター内黄色くクルマのイラストが点ると思う。(車種によって表示方法は変わります。)1度押しよりも長押しの方が電子制御のカット率が高くなるので、これで脱出できることもある。
普段は押すことのないトラクションコントロールスイッチだが、その機能を知っておけば、いざというとき役に立つ。スノーレジャーを楽しむドライバーには、ぜひ覚えておいて欲しい対処法だ。
【画像ギャラリー】あきらめる前に試せることは一通りやってみよう!! (3枚)画像ギャラリー先進安全装備も雪道では機能を切った方がいい
リスク等を先読みして、ドライビングをサポートする機能も、昨今のクルマでは充実している。例えば、トヨタのプロアクティブドライビングサポート(PDA)は、歩行者の急な飛び出しや先行車の割り込みなどを感知して、減速支援や操舵支援を行うものだ。
路面状況が良い状態ならば、こうした支援も積極的に使いたいが、低μ(ミュー)路を走行中に、ドライバーの意思とは違うクルマの動きが起こると、その瞬間にクルマが姿勢を崩して制御できなくなることがある。
レーダークルーズコントロールなども同様に、雪道での使用は控えてほしい。こうした機能は、ドライバー自身の手でON・OFFの選択が可能なので、路面状況に合わせた機能選択が必要だ。
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