一般社団法人日本損害保険協会は、3月3日、2024年の「自動車盗難事故実態調査」を公表した。今回もランクルが車名別車両盗難ワースト1となり、4年連続ワースト1となった。2024年の自動車盗難の内訳を紹介していこう。
文：ベストカーWeb編集部／写真：ベストカーWeb編集部、Adobe Stock
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ランクルが4年連続NO.1！ 埼玉県が2位にランクイン!
一般社団法人日本損害保険協会が公表した実態調査はどんな内容だったのか？ まず2024年は2023年に比べ、車両本体盗難が2597件→2499件、車上ねらい（用品盗難）が921件→720件と減少した。
そして車名別車両本体盗難被害は、ランドクルーザー（プラドを含む）が4年連続でワースト1となった。2023年の383件から2024年は688台、1.8倍と急増し、実に車両本体被害の4台に1台がランドクルーザーが占めることとなった。2位のアルファードは289件と364件の2023年に比べ75台減。それにしてもランクルの急増ぶりが目立つ。
他方、ワースト10に入ったクルマを見るとハリアーとメルセデスベンツがランク外になったが、代わりにレクサスLSが9位（34件）、ヴォクシーが10位（21件）にランクイン。
車両本体盗難の1件あたりの平均支払保険金は2023年237.9万円から2024年281.5万円と約20％上昇した。上昇原因は盗難上位車種のフルモデルチェンジによるものと考えられる。
都道府県別で見ると、愛知県が515件とダントツでワースト1、3年連続ワースト1の座は変わらないが、2位の埼玉県に注目。2023年は277件で4位だったのが、2024年は357件で2位に浮上し、12年ぶりのランクインとなった。
また東京都は2022年、2023年はランク外だったのだが、2024年は104台で7位にランクインした。一方、例年3位以内に入っていた大阪府は2023年298件から2024年179件と5位に後退し、119件も減少した。
2025年1月現在、盗難車隠匿の温床となりやすいヤード(廃車の保管場所・解体所)を規制する条例は、千葉県、茨城県、愛知県、埼玉県、三重県のほか、市町村では兵庫県三木市、茨城県坂東市、茨城県八千代町で制定されている。
今回、107件と7位に急上昇した東京都にはヤード条例が制定されていない。なぜ制定されていないのか？ 2024年12月2日に、東京都議会の警察・消防委員会で「ヤード規制」を求める請願が出されたが、13人の都議会議員のうち、賛成起立はわずか2人で不採択となっているのだ。これだけ盗難が多発しているのに、なぜヤード条例がないのか……。
2023年は303件と全国2位だったが、2024年には261件と3位に下がった千葉県は全国で最も多い約720ヵ所のヤードが存在している（全国は約3000ヵ所）。ヤードは盗難車の保管、解体のほか、不正輸出の拠点、不法滞在外国人の稼働＆い集場所として利用されている実態がみられるほか、このような実態を放置すれば班税の温床や治安上の問題にもなる。
千葉県警では関係機関等と連携して、自動車ヤード等の実態を把握するとともに、不法ヤードに対しては、各種法令を適用した検挙・解体を徹底するほか、千葉県等関係機関と連携を図り、不法ヤードを生まない環境づくりを推進している。こうした成果が今回減少に転じたのだろう。
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